1月3日
  昨年一人の人との出会いに揺れ動いたミッチーも、何とか人並みに新しい年を迎えられたようだ。
 元旦、二日と過ぎ、三日目の今日はといえば、この辺では恒例の成人式。カレンダーが設定した“成人の日”はもう少し先だが、過疎地域のこの辺では高校を卒業した若者はほとんど地元を離れ、普段は成人式を迎える年頃の者がいなくなってしまうので、お正月休みで帰省している三日にやっているのだ。
  午後ミッチーの部屋に現れた人が、その成人式の話題を持ち出したら、「私も行って来ようかしら」とミッチー。それがあまりにさりげなく言ってのけたので、ボクなんかも聞き流してしまうところだったけど、まったくミッチーの奴、ここまで図々しくなれるものだろうか。成人式を迎える人達のお母さんの年齢だというのに…。



    1月20日
昨夜遅く、この“ミッチーのらくがき帳”のアクセスカウントが2万を突破。と言っても、ミッチーのパソコンはインターネットにつなげると自分のHPのトップページにアクセスされるように設定されているから、この2万のうち外部からのアクセス数は大体半分程度だと思うが…。
 この記念すべき2万カウントをゲットしてくれたのは、掲示板のご常連のパンダさんになったから、ミッチーも嬉しそうだし、ボクも嬉しい。
「パンダさんったら、2万のカウプレにサンマの干物をご希望みたいだよ」
「そうなのよね。私の投げキッスなんか要らないってさ」
「ふん、ボクだってそんなもの要らないけどさ」
「あら、そう。ほんじゃあ何がほしいの?」
「そうだなぁ、サンマなんか食べちゃったらそれっきりだし…。パンダさんはボクのファンだから、ボクの写真なんか送ってやったら」
「それなら私の写真をお送りするわ」
「それはやめとけよ」
「なんで?」
「そんなもの見たら病気になっちゃう」
「大丈夫。パンダさんはね、何でも素敵に見えるメガネをかけてんだから…」



            
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      6月5日
 ミッチーが両親や妹弟、甥っ子や姪っ子達に囲まれ、平凡に暮らしていた家から、置き手紙を残して突然姿を消してしまったのは桜の季節を迎えようとする頃。何が何だか分からないまま眠れぬ一晩を過ごした両親のもとに、ミッチーから連絡が入り、一応無事らしいことはわかったものの、なぜか会えない日々が三週間程続いた。 ネット上で出会い、心を通わせ合った人とこれからの人生をともに歩もうと、旅立ったのてある。
 二人とも重度のハンディーを負った身であるため、身近な者達から反対され、説得する自信もなかったし、二次障害の影も忍び寄り、いつどうなってしまうか分からないお年頃の二人には、みんなに納得してもらえるまでの時間が惜しまれ、強行突破に踏み切った訳だ。
 ミッチーが何も言わず家を出てしまったのは自分達のせいではなかったかと苦しみ、心配と寂しさで泣いた両親らも、ようやく二人のことを認め、時々新居を訪れるようにもなった。ミッチーからパソコンを持って来てほしいとねだられ、二度目の新居訪問の時に、パソコンと一緒にボクもやっとこの家に来ることができ、久しぶりのミッチー、そして、一度実家の方へ訪ねて来たことのあるミッチーの旦那様とご対面できた。
 ここは池を囲んだ静かな町はずれの団地の一角。二階建ての立派な家が建ち並んだ中に平屋のこじんまりした家があるのだが、そこがミッチーと旦那様であるマッキーの家だ。そこで大勢のヘルパーさん達の助けを受けながら、仲むつまじく暮らしている。
 実家から持って来てもらったミッチーのパソコンも、ヘルパーさんのゴッドハンドでゃっとネットにつなげてもらったので、これから時々二人の様子を皆さんにお知らせしようと思う。そばでミッチーが「お手柔らかにね」なんて言ってるけど…。


    6月7日
 明日からお天気下り坂だというし、今日は曇っていて涼しそうだから、お昼ご飯食べてからお散歩に出ようかと話していたが、お城公園まで行って来たようだ。電動車椅子の高速(人の早歩き程度)で片道45分。津城公園は春先には桜のお花見が楽しめる名所だが、今は紫陽花の花がちらほら。木陰や噴水もあって、夏も涼しそうな感じだったとか。もっともミッチーなんか往復の道中にバテるだろうなぁ。今からマッキーにしっかり鍛えてもらわないと…。
 帰ったらミッチーの服がやけに汚れていて、あわてて着替えに行ったから、どうしたんだろうと思ったら、マッキーにチョコモナカアイスを食べさせてもらったんだが、ちょっと失敗して服にも食べさせちゃったんだってさ。

    6月9日
 今夜の夕食のポテトサラダの脇につけられたミニトマトは、この新居の花畑の横で収穫された初物。花畑を区切った一角に食べられるものも少し植えようと、野菜の苗を植えたのは4月の初め。あれから2ヶ月が経ってようやく収穫でき、ミッチー達の口に入ったという訳。実家でも父上が毎日畑へ出かけ野菜作りに精を出していたっけ…。ふとそんなことを思い出しながら、実家へFAXを送信するミッチーだ。
「寂しがってる父上達に時々は便りをしてやらなくちゃダメだよ」とお尻を叩いているのだけど、
「別に用事もないし…」とか
「こんなこと知らせても喜んでくれないよ」とか言って、仲々しないんだから、困った奴だ。
「そちらの畑でとれた野菜送って」とおねだりしたら、父上達も今まで以上に畑仕事をするハリが出て、元気になるってもんだよ。














2005年

1月  6月