ポエム2

ひそかに恋心を寄せる人が現れた頃(20代前半〜30代前半)のノートより。


目 次


タイプライター  その人がいる  今夜も又  小さな一粒

めぐみちゃん  大きらい  キュロットスカート  バレンタインディー

香りのお裾分け  青春諸君  たのしみ  あなたと私 

悲しいです  花の日  ミニ掃除機君  バラとわすれな草  

いつの間にか  父と母から  海水浴  戦い  喫茶店にて

君は今  一人の時間  なーに?だーれ?どこから?  いのち

誕生日  アリキタリよりアマノジャクで  アイラブミー  砂言葉

若者ひとり、お荷物ひとつ  感謝です  やさしさ芝居

愛をふやしましょう  終りにしないで  野外ロックコンサート

和之へ  ふたつの時間   季節の谷間で深呼吸  遊び初(ぞ)め

夢もいじわる  手と足  切られた木  部屋の戸  二年目のおうち

もらったもの  甘え宣言  一人の楽しさ、二人の淋しさ












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タイプライター


私の指が

気ままに気ままに走っていくよ。

文字から数字へ。

そして、ひとりぼっちの世界から

ふれあいの世界へと

何かを求めて走っていくよ。


私の心

優しく話して走っていくよ。

文字から記号へ。

そして、グチばっかりの日記から

あなたへの手紙へと

小さな真心伝えておくれ。


私の夢を

大きく包んで走っていくよ。

愛から希望へ。

そして、タイプライターの言葉から

あなたへの言葉へと

小さな告白つないでいくよ。



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その人がいる


毎日毎日、

教科書通りの

退屈な授業が待っているだけ。

そんな学校生活に反発し、

にくらしき教科書に火をつけてしまった彼ら。

その火で彼ら自身もやけどを負い、

彼らの大事な人をも巻き込んでしまうことに

ちょっぴり戸惑いながら…。

しかし、彼らは触れた。

彼らがつけた火に、

何もかも投げすてて立ち向かって行く

その人の愛に。

今、彼らは一斉に飛び込む。

広く、深く、暖かいその人の胸に…。

そう、彼らにはその人がいる!

彼らの心をしっかりと受け止めてくれる

その人がいる!



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今夜もまた


誰もが行けるもうひとつの世界。

そこでは誰もが平等で

一人々々がより自分らしくふるまえる世界。

だから、

色々なことにじっと我慢の娘でいる私も

そこへ一歩足を踏み入れれば

たちまち飛んでる女に早変わり。


街角のしゃれたブティックに入り

気に入ったワンピースを

何のためらいもなく身につけ

ニッコリ微笑む私。


そうかと思えば

憧れのバレーボール選手になり、

相手のコートに切れのいいスパイクを

次々とたたきこんではガッツポーズの私。


そして又時には、

あのなつかしい学校時代の先生方や

クラスメート達に思いがけなく再会し、

涙ぐむ私。


そんなもう一つの世界の

より私らしい私を求めて

今夜もまた私は眠りにつく。



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小さな一粒


宝石などにはまるっきり興味のない私の目に

なぜだか止まった小さな一粒。

指先で弾いたら

一瞬の間にどこかへ消え入ってしまいそうな

頼りない輝き。

それでいて、しきりに何かを主張し

粘り強く何かを訴え続けているような

不思議な輝き。

それは雨あがり、

葉っぱの先にかろうじてとどまっている雨粒。

顔をのぞかせたばかりのお陽様の光に

照らされて輝く小さな一粒。

気持ちのいいそよ風に

揺られて輝く小さな一粒。



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めぐみちゃん


あなたの上に

天からのめぐみが

いっぱいいっぱいあるようにという

たくさんの人達の祈りによってつけられた

素晴らしいあなたの名前。

あなたがこれからその目でどんなものを見、

その手でどんなことをし、

その足でどんな道を歩くのか

もちろん私たちは知らない。

でも、あなたのもう一人のお父様は

あなたのために

もうちゃんと用意して下さっている。

あなたの見るべきものを…。

するべき事を…。

歩くべき道を…。

だから、めぐみちゃん、

どこまでもどこまでも健やかに伸びよ!

小さなたくさんの愛の中で…。

そして、大きな二つの愛の中で…。



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大きらい


どこかへ出かけるというので

いい洋服を着ようなんて、大嫌い。

だってそれは、

どこへも出かけなければ

どんなに汚れたものを

着ていてもいいという考えの

裏返しだもん。


誰かが来るからというので、

あわてて家の中を掃除しようなんて、大嫌い。

だってそれは、

誰も来なければ

どんなにちらかしていてもいいという考えの

裏返しだもん。


どこへ出かけなくても

お気に入りのカッコウをして

誰が来なくても

お部屋の中の気になるゴミは

くずかごに投げこみ

いつもいつも私らしくしていたいのです。

わがままでしょうか?

ぜいたくでしょうか?。



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キュロットスカート


「お待たせしました!」

タンスの奥から引っ張り出した

キュロットスカートに

そうご挨拶。

スカートなどはけない私にも、

ひょっとしてこれだったら

はけるかも知れないと

少しの期待と好奇心から

デパートのバーゲンセールで買ったのは

一昨年の夏。

その年、ニ.三度はいたきりで

昨年はなぜだか一度もはかず、

ニ年近くもタンスに閉じ込めちゃって……。

さぞかし出番が待ち遠しかったことでしょう。

よしよし、今年は

昨年の分も勇気を出して

はいてあげるからね。



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バレンタインデー


「女性が男性に愛の告白をする日だって?

愛の心をチョコレートに託して

プレゼントする日だって?

こんな大好きなお菓子を

人にあげちゃうなんて

とんでもない!」

自分の勇気のなさを

こんなふうに悪ぶってはごまかし

用意したチョコレートの包みを破り

そのひとかけらをそっと自分の口に放りこみ

いかにも幸せそうな顔でなめなめする

孤独な女が一人。

「寂しいですか?」

「いいえ、とってもおいしいです!」



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香りのおすそわけ


北海道旅行のおみやげに頂いた

すずらんの香水。

この一滴をそっと便せんに含ませたら

彼女のもとに届くかしら?。

北海道の広い大地と

澄みきった大空にあこがれる友へ

真心こめて香りのおすそわけ。



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青春諸君


これが

自分達の進路に大きく影響するという

大事な期末テストの真っ最中、

それぞれの得意な分野を持ち寄り、

徹夜で教えあっている彼ら青春諸君。

そこには、

大人の世界のずるい掛け引きや

いやらしい競争心など何もない。

純粋に互いのマイナスをうめ合い

プラスを求め合い

明日という日を分かちあう、

にくらしいほど素敵な世界。

この日の友情をいつまでも大切に

ガンバレ青春諸君!。




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たのしみ


料理を作る楽しみは

舌の上にのせ味わうためのもの。


洋服を仕立てる楽しみは

鏡の前に立ち装うためのもの。


そして、私が

こうして白いノートに文字を埋める楽しみは、

いつかどこかでどなたかと

心を通わすためのもの。



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あなたと私


いくつかの素敵な偶然が重なって

心触れあったあなたと私。

顔を見合わせしゃべるよりも

便せんに書き並べた言葉で

より深く、

より多くの会話を交わしたあなたと私。

服装やヘアースタイルよりも

お互いの瞳の奥に隠れた輝きを

見つめ合ったあなたと私。

今、この良き旅立ちの時を迎えたあなたを

ちょっぴり遠くからまぶしい思いで見送る私。

そして、平凡だけど

やっぱりこの言葉をあなたに贈ろう。

「どうぞお幸せに!」。



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悲しいです


悲しいです。

この話になると

いつもあなたの言葉に

泣かされてしまうことが…。


悲しいです。

あなたの言うとおり

私の存在が

彼女の幸せの妨げになっている事実が…。


悲しいです。

あなただけではなく、私も

彼女の幸せを願ってやまないのに…。


悲しいです。

私たち親子、姉妹をにらみつけている

多くの偏見の目が…。


花の日


「あの空はどうして青いの?」と

そんな疑問を元気に唱う

教会学校の良い子たち。

今日はその歌と花束たずさえ

老人ホームの

おじいちゃんおばあちゃんを訪問。

「私、小学4年生やけど、

おじいちゃんいくつ?」

「85歳じゃよ」…。

そんな会話が楽しく想像できる

花の日の午後。


孤独なお年寄り達には

花束や歌のプレゼントはもちろん、

こうして子供達が来てくれたという

そのことが…。

そして、子供達には

おじいちゃんおばあちゃんのうれし涙が

何よりのおみやげになったことでしょう。



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ミニ掃除機君


朝、お布団あげてもらった私の部屋で

ゴーッとモーターの音も勇ましく

ミニ掃除機君、行動開始。

髪の毛、糸くず、綿ぼこり、

そして昨夜

ちょいとつまんだクッキーのおこぼれなど

細かいものなら何でも吸い込んでくれ

うーん、朝の気分もさわやか!。

この部屋で働いてもらうようになって、

もうかれこれ3年になるかなー。

これからも大いに頼りにしていますので

よろしくネ。



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バラとわすれな草


あなたはバラ。

魅力的だけど触ると痛いトゲのあるバラ。

優しい香りを一面にまき散らし

いかにも誇らしげなバラ。


私はわすれな草。

ちっぽけで存在感の薄いわすれな草。

あなたに近づき過ぎて

傷つくことを恐れつつ

それでもやっぱり

あなたのそばに添えられることを

かすかに夢見るわすれな草。


そう、あなたは

私のあこがれのバラ。

そして、私は

あなたには何のかかわりもない

わすれな草。



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いつの間にか


中学、高校、大学と

熱い青春の心をやりとりした

彼女と私の友情の証は

大きな箱にいっぱい詰まって残っているのに

いつの間にか彼女は人の妻。


久しぶりの彼女からの便り…。

私のひらがなの名前を、

なぜか「美智子様」と漢字で書くくせも

あの頃とちっとも変わらないのに

いつの間にか彼女は人の妻。


せっかちな時間は

スムーズに乗り込める彼女らを乗せ

いつも私一人置き去りにして走って行く。



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父と母から


私は母からもらったのです。

幸せになるチャンスは決して逃さない、

しっかり者のハートを…。


でも、父からも譲られたのです。

自分のことよりまず、

相手のことを思いやる心を…。


この前は母からのものが勝って、

彼らといっしょに

思いっきり楽しんで来ちゃったけど

今日は父からのものが強くて

彼らから

ちょっぴり離れてしまっただけのこと。


何かある度、私の中で

仲のいいお二人を

争わせてしまってごめんなさい。



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海水浴


潮風サラサラ夏の海。

初めてザンブリ私です。

だから、

ついつい悲鳴の私です。

水着が彩る海水浴場。


友情キラキラ波しぶき。

ドキドキヒヤヒヤ海の上。

だけど

なぜだか幸せ海の上。

思い出づくりの海水浴場。


雲間に太陽見え隠れ。

私の叫びもあの空へ。

そして

あなたの心もあの空へ。

一夏染め行く海水浴場。



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戦い


目には目を、

歯には歯を、

なんていうやり方はしたくないから、

いつも浴びせかけられる君のトゲある言葉に

無言で抗議を続ける私。

今は黙っていることだけが

私が戦っている証拠なのです。

そして、私が勝つのは

君のそのトゲある言葉に

柔らかく暖かい真綿のような言葉で

応じられるようになったその時。

その勝利の旗はまだ見えないけれど

やっぱり私は今日も

無言という武器を手に

君との戦いに挑みましょう。

傷つきやすい心を大切にかかえて…。



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喫茶店にて


けだるい甘さのミルクティー。

ハートもすっきりクリームソーダ。

優しい苦さのアメリカン…。

三角屋根の喫茶店、

色んな味で

色んな時間を楽しむ人達いっぱい。


ワイワイガヤガヤ、

やたらにぎやかな友達グループ。

ストローで残り少ないジュースをかき回し

腕時計とドアの方へかわるがわる目をやる

待ち合わせ人。


テーブルに肘つきあわせ

顔と顔見あわせて

二人だけの世界で戯れる若いアベック…。

日曜午後の喫茶店。

思い々々の味で

思い々々の時間を過ごす人達いっぱい。


私もそろそろ、大人の味で

大人の時間を持ちたいと思うけど

やっぱりまだまだ

ミルクココアの時間がお似合いかな。



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君は今


私に

しょっぱい夏の思い出くれた君は今

小さな小学校の教室で

理想と現実とのギャップに悩みつつ

子供達一人々々と

真剣に向かい合っていることでしょう。


私に

軽快なタッチのメロディーくれた君は今

子供の心を育てることに燃え

タンパン姿の子供達といっしょに

運動場を走っていることでしょう。


そんな君を

ちょっぴり遠くから想像しては

時々日記の中で

軽い言葉を投げかける私。

「又、遊ぼうネ」なんて…。



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一人の時間


一人の部屋の、一人の時間。

気ままにクッキーなどつまみ、

冷たいジュースごくごくやって、

テレビを見るともなく見ているだけの

投げやりな時間。

そんな時間の後には、ただ

むなしさや、やりきれなさという

罰ゲームが待っているだけ。


一人の部屋の、一人の時間。

ほこりっぽい部屋を掃除して

沈みがちな友に

ジョークいっぱいの手紙を書き、

素敵な言葉との出会いを求めて

読書にふける、

ちょっぴり前向き姿勢の時間。

そんな時間の後には、決まって

生きている事の確かな実感や

満足感という

ごほうびが待っているから不思議。


一人の部屋の、一人の時間。

でも、この一人の時にこそ

大きな瞳により深くより

暖かく見つめられている私。



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なーに? だ-れ? どこから?


これはなーに?

言葉集めのノート。

あれはなーに?

ある3年間の足跡。


私はだ-れ?

へんてこりんな女。

あなたはだーれ?

私の遠い人。


きびしさはどこから?

父性愛、母性愛、友愛から。

優しさはどこから?

苦しみ、悲しみ、淋しさ味わった心から。



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いのち


「死にたくない」

「死にたくない」

そう叫びながらも、

ついに運命に従おうと決意した青年は、

大好きな雪の山に登り

降りしきる雪に身を任せた。

自分のいのちと入れ替わりに

よみがえった少女のまぶしい青春を残して

青年は旅立った。

こんもり盛り上がった積雪の側の

一本の木に立てかけられた

愛用のスキー具だけが

すべてを物語っていた。

激しく、美しく、

そしてやっぱり悲しげに…。



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誕生日


お誕生日を忘れられて

「親友の誕生日を忘れるとはけしからん」と

プリプリ怒る友。

いやァー許せ許せ。

それにしても

お誕生日を忘れられたというので

こんなふうに無邪気に怒れるなんて、

うーん、やっぱり彼女はまだ若い!!。

忘れられたく 

忘れていたくなった私の誕生日は、

2月22日。

「2」ばかりが故に

誰にでもばっちり覚えられていて

あ〜あ……。



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アリキタリより
 アマノジャクで


淋しいから、笑います。

悔しいから、優しくします。

苦しいから、唄います。

こういうのを

アマノジャクというのでしょうか?。


でも、

病気だから沈みます。

明日テストだから勉強します。

お出かけなのでおめかしします。

こういうアリキタリで

本当にいいのでしょうか?


私は乗り越えたいのです。

アリキタリを…。

そして挑戦したいのです。

アマノジャクに……。



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アイ ラブ ミー


調子っぱずれの歌を

得意げに唱える私が好き。

のろまだけれど

粘り強い私が好き。

クイズ愛好家で

バレーボールファンの私が好き。

デリケートだけど

飾り気のない私が好き。

内弁慶ならぬ、

外弁慶の私が好き。

子供の心を捨てきれず

大人になりきれない私が好き。

健康とずうずうしさだけが取り柄で

自称「冬の花」の私が好き。


ただ一人の人に告白できず

なぜだかどこにも書けない一言に変えて、

アイラブミー!!。



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砂言葉


あの日海岸で

砂に書いた私の言葉は

聞こえない耳飛び越えて、

そっとあなたの心の中へ…。

「聞こえたらいいのにね」

ちょっぴり淋しげな笑顔でつぶやくあなた。

「手話ができたらなァー」

だめな手見つめてじれったく思う私。

そんなあなたと私への

神様からの贈り物は、

フンワリサラサラの砂言葉。

書いては消し、消してはまた書く砂言葉。

優しく楽しい砂言葉。



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若者ひとり、お荷物ひとつ


もうすぐ紅葉の

涼しい涼しい山道を

重い荷物背中にしょって

汗だくだくで駆け下りる

若者ひとり。

「たいへんですね」と

追い越し人のお言葉に

「いいえ」と

くしゃくしゃの笑顔返す若者ひとり。


夕暮れせまる

くねくねでこぼこの山道で

若者の汗たっぷり受けて

右に左に傾き揺れる

お荷物ひとつ。

「たいへんですね」と

振り向き人のお言葉に

「はい-」と身代わりに本音吐く

お荷物ひとつ。



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感謝です


毎日の仕事を感謝です。

いつもやることに追われては

ついついぐちってしまうもの。

だけど時間があまり過ぎると、

なぜかくよくよ余計なことばかり。

人間なんて変てこりん。

だから神様ありがとう。

毎日の仕事をありがとう。


たくさんのふれあい感謝です。

たまにあの人につまずいて

つんつんのめってしまうけど、

なぜかひとりになりたくなくて、

今日もダイヤル回してみる私。

人間なんて淋しがり屋。

だから神様ありがとう。

たくさんのふれあいありがとう。


時々の痛みも感謝です。

いつも幸せに触れたくて、

あちこちさぐってばかりいる。

だけど幸せマンネリ化だと

なぜか幸せ見えないからふしぎ。

人間なんておバカさんね。

だから神様ありがとう。

時々の痛みをありがとう。



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やさしさ芝居


二倍、三倍のお返しを期待して

あちこちへプレゼントをまきちらす、

そんなやさしさ芝居はもうおやめなさい。

返事が書けない友にこそ

心をこめて手紙を書く、

そんな真実をつかめたら…。

「ありがとう」と言われる前に

次にしてあげられる事を考える、

そんな人生を歩めたら…。


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愛をふやしましょう


まず、家族の健康祈りあって

この家に愛をふやしましょう。

お隣さん、お向かいさんと挨拶交わして

この街に愛をふやしましょう。

離れている友と時々連絡取り合って

全国に愛をふやしましょう。

貿易やスポーツを通して

この世界に愛をふやしましょう。

天からまかれた種に熱い息ふきかけて

この地上に愛をふやしましょう。

いいえ、なによりもまず

カッとする思いをひとつずつ抑えて

私の心に愛をふやしましょう。



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終わりにしないで


それっきり終わりにはしたくありません。

臨時の仕事で

一時的につき合ってくれた

ヘルパーさんとも…。

女らしいやさしさ分けあい、

今は育児に奮戦中の彼女とも…。

楽しい思い出づくりの中で、

自分の世界を見いだしていった彼とも…。

そして、名前呼ぶと切なくなるけど、

やっぱりあの大切な人とも・・・。

会えなくなっても、

いいえ、

そうなったらよけい大切にしたいのです。

だからお願い、

あなたも私との事

終わりにしないで!!。



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野外ロックコンサート


岩の上のステージと

小石浜の客席の

心と心が弾けて飛んで

海の上でぶつかり合い、

ひとつになって夏の夜焦がす

野外ロックコンサート。


叫び声も怒鳴り声も

かき消されるその中で、

すぐ前の人の背中に

あふれる思いぶっつけて、

すがすがしさいっぱい、

せつなさちょっぴりの

野外ロックコンサート。



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和之へ


君が登校拒否だなんて!!。

その原因のひとつが私だなて!!、

ごめんなさい。

君がこんなになるまで苦しんでいたのを

知らなくて・・・。

ごめんなさい、

すべてを知っても

何もしてあげられなくて・・・。

君のくやしさみんなこの胸に抱きとっても

この事にはどうしても負けられない私です。

じ事に負けてしまった

あの友のためにも・・・。

今は只々君の事を思って

泣くばかりの私です。

この熱い涙を、

君と私の明日にかけて・・・。

だから君も

今日は思いっきり泣いて下さい。

そしてどうか明日からは

強くなってください。

私の体とは何の関係もない

君自身を誇って

堂々と胸を張ってください。



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ふたつの時間


楽しい時間すぐそこに待っているけど

つらい時間も同じ頃に迫っていて

両方からはさみ打ち。

どちらかの時間を

ほんの少しずらしてくれたら

楽しい時間見送らなくて済むのに…。

つらい時間にも

いさぎよく甘んじられるのに…。

思い余って、

この二つの時間あなたにあずけたら

改めてこんなに楽しい一晩贈られた。

そしてその後、

やっぱり当然つらい何日かもどこからか…。



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季節の谷間で深呼吸


夏の名残りの暑さと

秋の静かな涼しさが、

同じ空の下で同居しているような

そんな夏と秋の谷間の一日。

ぼつぼつ模様替えにとりかかる

周りの小さな自然から

期待の一息吸い込んで…。

大好きな季節の予感に

ぴくりと波打つハートから、

文字の一息はき出して…。

季節の谷間の深呼吸。

私の秋への深呼吸。



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あそび初(ぞ)め


あそび初めに誘われて、

ふらり出かける正月二日。

やっと座れた小さなお店で

お鍋やお皿つっつきあって

真っ白な年に「カンパーイ!!」

何でぬりましょ、この一年を…。


あそび初めの本番は、

夜景見下ろす明るいネオン。

さあさ歌おうカラオケスナック、

知らない同志つっつきあって

騒いでるうちにペアー替え。

のりにのりましょ、このひと時に…。


あそび初めの夜の街、

とろり明ければいつもの日々が…。

あした明後日離れていても、

ご機嫌たまに伺いあって

富士の山遠く仰ぎつつ

進み行きましょ、この一年も…。



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夢もいじわる


楽しい夢ってなぜだか

これからいいところという時に

覚めてしまうのね。

素敵な夢ってどういうわけか、

いつも肝心なところで

オジャンになってしまうのね。

せめて夢の中では

思いっきりフィーバーしたいのに…。

せめて夢の中では

勢いよく飛び出したいのに…。

靴をはいたとたん、

現実の布団に逆戻りだなんて

それはちょっと意地悪だよねー。


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手と足


私の手と自分の手を見比べて

「この色の違い見てよ」と嘆く人よ、

そんなに白い手がお望みなら

いつでもかえてさしあげましょう。

私の足に自分の足を近づけて

「こんな足になりたいわ」とうらやむ人よ、

そんなにスマートな足にあこがれるなら

喜んでかえてさしあげましょう。

日焼けしてたって

お箸を持って口に運べる手が

どんなにすばらしいか…。

グラマーだって

階段や坂道かけ登れる足が

どんなに魅力的か…。

あなたがそんなに嫌いなら

その手を

その足を

私にください!!。



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切られた木


ニつの家の境目に

一列に植えられた木。

一年中緑のつぶつぶのような葉を

生い茂らせた木。

両方の家の子供が

その木の枝かき分けて行ったり来たり…。


あれから二十年……。

一つの家の時代が移り、

もう一つの家も建て直され

二つの家に通い合う心もなくなり

やがてその木もバッサリ…。


木がなくなり、

すっかり変わった窓からの眺めに

過ぎし日懐かしむのは

何かを捨てきれないおバカさん一人。



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部屋の戸


ちらかってるガラクタ、

あわてて押入れに放り込み

隠してしまうように

私の部屋の戸を外側からピシャリと閉め

それでやっと安心して

お客様の対応に出る・・・。

そんなあなたが悲しいのです。


閉められた戸を、

笑顔で開けて

「こんにちは」と一言、お客様に挨拶したら

きっとすべてがふっきれて

あなたも一歩前進させてあげられるのに・・・。

それが出来ない自分がもどかしいのです。


閉められた戸が重たくて・・・。

あなたの心がわかりすぎて・・・。



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二年目のおうち


このすてきなおうち買ったのは

結婚一周年の秋でしたね。

その時あなたのお腹の中で、

手足をばたつかせていた小さないのちも

やがて二人の前に、

「はじめまして」と、飛び出して

そばに眠るわが子から

ひと息の尊さ教えられたパパとママ。

温かい人々の輪の中で、

助けあい、学びあいの二年目のおうち。



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もらったもの


父や母亡くした彼らに比べ

幸せすぎる私だから

この辺で訓練をと、

身近にこの人くれました。


眠ることや排便さえも

思うに任せぬあの友と

苦しさちょっぴり分け合うために

時々あれこれくれてます。


最愛の人の胸に

涙で飛び込む妹の

熱き心わかってあげられるよう

私にもあの人くれました。



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甘え宣言


正義感の強いあなたと

不真面目な私。

自分に自信持ってるあなたと、

駄目人間の私。

そして、

家族の連中らとは

ひと味違った存在求めている私なのに

親子の関係でいこうと

ぐいぐい引っ張って行くあなた。

全々さっぱりのちぐはぐコンビ。

「気ままばっかり言うたらあかんのよ」と

大人らしいあなたの言葉に

失望しかけた私だけど、

今ふと反撃の言葉見つかったので

まずは一歩詰めよって

「私達のわがまま聞いてくれるのが

つとめでしょう」

生意気だけど、これを盾にとり

これからデッカイ顔で甘えまーす。

以上、私からあなたへの

ひらき直りの甘え宣言。


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一人の楽しさ、二人の淋しさ


テレビやらくがき、

はたまた読書か、つまみ喰い。

ほのぼのひそひそ

いろんな思い窓から飛ばし

一人の楽しさもってます。

いつも通りのマイルーム。


行為も言葉も

またもやどこかで空回り。

きりきりちくちく、

小さな胸に傷跡つけて

二人の淋しさ知りました。

ホロり涙の訪問日。



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