1月6日
 2013年は巳年や。
ヘビが一番最初に登場したのは、人間をだますためやったと言われとるさか、憎むべき存在やが、年女の姪っ子ちゃんが年賀状に描いて来たヘビ達は、明るい色で楽しそうなんで、わしも何かええ気分になったわ。
これこそだまされるっちゅうことかも知れんがのう。
 ミッチーの手足となってくれとるヘルパーさん達が年末年始は休んどったんで、5日に初風呂に入って、さっぱり気分で6日、教会の礼拝に出席する予定やったが、5日に来てくれる筈やったヘルパーさんが、子供が風邪ひいたんで、一日遅らせてくれって言うて来て、その連絡をうけた母上様が、ミッチーの意志を確かめんと了解してしもうたんで、ミッチーは6日ウチにおらなあかんようになって、礼拝に出そびれてしもた。
やっばりこれもヘビ年ゆえのことかいのう?

    1月31日
パソコンのウイルス対策ソフトの有効期限が迫って来とるんで、その更新手続きをせんならんのやが、それをやろう思てパソコン操作を始めると、首や肩が痛とうなって来て、最後までできんらしいんや。
ミスできん思いもてするさか、いつも以上に緊張感を伴うんやろなぁ。
「りきまるさん、これする間、私の首や肩の痛みをあずかってよ」とミッチー。
ほんまに仕事する為に子供あずかってくれる託児所があるんやさか、痛みをあずかってくれる所があってもええわなぁ。
まだミッチーに色んなことやらせてやりたいさか、そんな人になりたいわ。


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      2月15日
 昨日のバレンタインがヘルパーさんの訪問日に当たったんで、ミッチーの遊び心が全開した。
市販のスポンジやホイップクリームらを買うて来て、部屋でケーキ作りや。
スポンジのケーキ台に生クリーム絞り出して塗りこみ、その上からココアパウダーふりかけ、イチゴとキィウィで飾りつけして、バレンタインケーキの完成!
そのケーキの行き先が気になっとったんやが、わしんとこらへ来る筈ないわなぁ。
天国の父上と弟にっちゅうて、まずは仏壇へ持って行きよった。
他へ持ってったら、せっかく作っても自分の口へは入らんさか…ってことやろな。
まったくミッチーらしいわ。
一時間ぐらいで仏壇から下げて来て、恐らく他にもらう人もないやろと思う甥っ子にちょっとだけお裾分けして、やっぱり自分の口へもしっかりと入れとった。
わしっちゅう大事な人はどないするんやろなぁ。
つらい時だけ泣きついて来て、後は知らん顔や。
まったくやってられんわ。
 その夕方、今度はハート型のチョコ持っておかしな女ギツネさんもあらわれたんで、ちょっとびっくりや。
そ奴っちゅうたら、ミッチー抱きしめ、口づけまでしてったさか、気持ちわりいったらありゃせん。
いったいどこの山から来たんやろなぁ?

     2月24日
 なんのかんの言いもて今年も2月22日を迎えたミッチー。このホームページの掲示板にも色んな人からバースディーメッセージが届いとる。
その中に
「2222年2月22日にもお祝いしよう」なんていうのがあったさか、わしも圧倒されたでぇ。
後200年以上、ミッチーはねばらなあかんことになったさか、こりゃあえらいこっちゃ!
「お祝いしよう」っちゅうことは、その人も200年以上ねばらなあかんし、わしもつき合わんならんことになるでな。
そんなことばっか考えとったら気がとおなってしまうさか、このぐらいにしとくわ。
 さてオフラインの方の22日には、ご無沙汰しとる人が会いに来てくれたり、母上様も頑張って寿司を作ってくれたり、そしてそのあくる日の夕方には、出前コックさんが、材料から調理器具まで持って来て、ミッチーのリクエストのオムライスを作ってくれ、できたてを食べれるようにしてくれたりと、ミッチーにはもったいないような2日間やった。
そのそばでわしも、可愛らしいケーキ見せてもらい、おいしそうなオムライスのにおいもたっぷりかがしてもろたわ。
なんでミッチーにつながる人らはこないに素敵な人達なんやろ?


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    3月20日
  ミッチーの右の首から肩にかけての痛みは、特に食事の時にひどなるみたいや。
茶碗とか近づけたら、条件反射っちゅう奴で、はねつけてしまう厄介な右腕を、長年両足へはさんで食卓へ向ことったが、二年ぐらい前、右肩に痛みが出て来たんで、その安定した食事スタイルもあきらめとったんやが、それでも食べやしてもらう時は介助者とのタイミングを合わしたり、口へ入れ易い格好にならなあかんさか、どないしても肩や首に力が入ってしまうんやろなぁ。
食べるごっとに母上に泣き顔見せんならんのがつらいようや。
「食べたり飲んだりの必要がなければ、トイレにも行かなくていいし、そんな世界へ行きたいわ」っちゅうのが、今のミッチーの切実な思いらしい。

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    4月15日 
 お孫さん誕生でしばらく地元から離れとった人がUターンして、またヘルパーの仕事を始めるそうで、ミッチーとこへも来てくれるそうや。 
 また、交通事故によるケガや子供の病気など相次ぐ自分の周りの不幸で、休職しとったもう一人のヘルパーさんも、今日から復帰したという嬉しい便りも入っとる。
  そんなとこへもって来て、今日はまたまた思いがけない人がミッチールームへ顔を見せ、「ぇー、どうして…」っちゅう顔のミッチー。
あんまり突然やったんで、瞬間的にその人の名前も頭から消えてもうたようや。
いや、これはひひょっとして認知症の前兆と違うなやろか?
“あしすと”っちゅうとこでミッチーらの相談にあたってくれとった人がディーサービスに移動になって、後任に入ったんがその人…。
ミッチーとどんな知り合いやったかっちゅうと、何度かショートステイでお世話になっとるケアホームの職員やった人らしいわ。
そう言やぁ、こんな相談員になる為の勉強もしとって、ミッチーに何ぞ相談しぃかけたことがあったなぁ。
それに年賀状でケアホーム退職のことも言うとったわ。
けど、まさかこんな形で今日彼女と再会することになるやなんて想像もしてなかったミッチーや。
 「色んな人を通して神様が私のために働きかけておられるのかもね」
「そうかも知れんのう」 

    4月24日
  母上様の風邪をもらい受けてしもて、先週は4日間程寝込んでしもたミッチーや。
熱と吐き気で、ほとんど食事も受けつけんかったさか、体が軽なることを期待しとったが、そんな甘いモンやなかった。
ダメになる一方の今のミッチーの身体は油断大敵で、寝込んだらそれっきり起きれんようになる危険があったんや。
それがわかっとるミッチー、熱のある時もゆっくりよう寝やんと、トイレに行かしてもろたついでに椅子に座らしてもろたりしとったが、どんどんあかんようになって行くんで、あせるばっかや。
5日目に熱が引いてくれたさか、待ってましたとばかり動こうとするが、どうにもぎこちない。
そんでも無理を押して、椅子からの立ち上がりなど何回かやったら、そのあくる日はひどい筋肉痛で、介助者には余計負担がかかる始末。
まったくややっこしい体になったもんやで。
なんとか自力で座椅子へ座れるようにせなあかんのやが…。 

  
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      5月18日  
ミッチーの右の首の痛みは、耳の後ろ辺りから腕の付け根ぐらいまで広がって来とるようや。
何かの拍子に腕の付け根部分に激痛が走ると、もう身の置き所がのうなるほど、どうにもこうにもならんようになって、見ておれん。
それに風邪も引いとらんし、口に何にも入っとらん時でもひどく咳き込むことが多なってなぁ。
気管か肺の異常もあるんと違うんやろか。
 30年ほど前に、歩行困難の二次障害から、手術とその後のリハビリで見事に元の生活を取り戻して、還暦を過ぎた今もボイラーの仕事をやっとる友達がおって、その人から自分が復活さしてもろた病院を教えてもろた。
名古屋にあるその病院は、脳性マヒ専門で、長期入院になっても完全看護っちゅぅことやったんで、ミッチーの歳ではもうどうにもならんって言われるかも知れんけど、一度受診してみぃたい思て、弟ぎみに頼んで色々聞いてもろたらしいわ。
電話で応対してくれた病院の職員が言うには、障害のある人を受け入れとるが、脳性マヒ専門という訳でもなく、今は完全看護の体制でもないっちゅうんや。
紹介状がないとむずかしいようなことも言われたそうや。
友達が復活さしてもろた頃とは病院の体制も変わって来とるんやのう。
完全看護と言うことに引かれとったミッチーやが、そうやなかったら、そんな名古屋の病院らにかかるのは無理な話や。
あんまり期待できそうにないんやけど、紀南病院を受診してみよと思とるみたいや。

     5月24日
弟ぎみにつきおうてもろて一昨日、この辺じゃあ一番大きな総合病院の紀南病院の整形外科を受診したミッチー。
 初診やさか、自分の障害歴や、今の症状に至るまでの思い当たることを書き出した問診用の書類を用意して行ったみたいや。
担当の若手のイケメンのドクターは、ミッチーの書いた説明書を読んでくれて、まずレントゲン撮ることにチャレンジしようって言うてくれて、レントゲン室へ案内されたようや。
そこで二人のお兄さん技師に押さえとってもろて、どうにかこうにかレントゲン撮影をクリアー。
そのレントゲン写真見ぃもてのイケメンドクターの説明によると、首と肩の骨がちょっと変形しとるけど、オペの必要なし。痛みは緊張感から来るものだろうから、とりあえず緊張をほぐす薬と痛み止めで様子をみようって言うて、鎮痛剤も歯ぁ抜いた時ぐらいしか飲んだことがない言うたら、害のない弱い薬を出しておくからって言うとったそうや。
ほんで今、初めて真面目に朝昼晩の食後に緊張ほぐす薬を飲んどる。
ちょっと余分な力が抜けたんか、首の急な動きものうなったような気ぃもするんで、ちょっとは痛みも和らぐんやないかいのう。 

      5月29日
  ミッチーが緊張ほぐす薬飲み始めて一週間、首の急な動きが少のうなったんでか、肩にキューンと来とった激痛が減って来とるようや。
一番つらがっとった食事タイムの表情も段々なごんで来たさか、ミッチーの泣きっつら見やんでもええようになった母上もほっとしとるやろ。
どんなおいしいモン食べとっても、ミッチーのあの泣きっつらがあると台無しになってしもたんでなぁ。
 あんな薬飲んだら、眠気や脱力感でぐったりして、生きとるんか死んどるんかわからんようになっとる人をよう見とるミッチーは、自分もあんなになるんやろかとちょっと心配もしとったようやが、弱めの薬やそうやさか、それほどの眠気も起こらんし、思考力も維持しとる。
「この薬が効かなくなったら、強い薬も飲まないと押さえられなくなるだろうけどね。そしたらやっぱり何も考えられなくなるのかなぁ?」
「ミッチーが何にも考えれんようになったら、わしが考えたるたるがな。あぁあぁ、誰そとの漫才投稿も任しとき。わしの方がウケるかも知れんで」


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       6月17日
 「そのTシャツのバックプリントの字ぃは、いかにも手書きの感じが出とってええのう」
「のんちゃんの書いた代弁Tシャツよ。いいでしょ」
「代弁Tシャツ? 何やそれ?」
「私がいつもお世話になってる人達に『ごめん』『ごめん』っていう気分でいるだろうけど、そんなふうに思ってたら、体もますます萎縮してしまうし、人間関係もおかしくなってしまうから、そんな気持ちはこのTシャツに代弁してもらって、堂々と明るい人間関係を築いて行ってほしいと、あの漫才の相棒がプレゼントしてくれたのよ」
「ほほう、その相棒さん、さすかにミッチーのことようわかってくれとるんやな」
「でしょ、私感激して泣いちゃったわよ」
「そしたら又これ着たとこ見せたりぃや」
「そうね、近いうちこのTシャツ着たところを写真に撮ってもらって、フェイスブックにでも載せようかなぁ」
「バックプリント見せたいTシャツやで、ミッチーの顔写さんでええさか、ここへも載せてもかまんけどのう」
「ちょっとぉ、それどういう意味よ?」
「いやぁ、そんなん全然考えんでえぇえぇ!」
(あぁ、あぶなかったがな、もう…)



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       7月3日 
毎日首と肩の痛みにつき合うのに精一杯になってもうたミッチー、みんなに泣きっつら見せるのがつらいっちゅうて、教会の礼拝へも出て行かんようになるし、座って床に足の届かん椅子やと緊張感が増す言うて、台所の椅子へよう座らんようになって、部屋へ食事運んで来てもろて食べとる。
緊張ほぐす薬飲んどるのに、カフェイン入りのコーヒーら飲んだら何にもならんさか、好きなコーヒーとも絶縁や。
これからもあきらめなあかんことがどんどん増えて行くやろなぁ。
色んな人とつながっとるパソコンだけは最後まで残してやってもらいたいとこじゃが、そのパソコンに思わぬアクシデントが起こってもうたがな。
 キーボードの上にカゴを落としてしもうた時に一部分に強い衝撃を与えてしもたみたいで、文字キーの一つが壊れてしもたんや。
修理に出さなあかんのやけど、そうすると何日がパソコン使えんようになるのがつらいとこなんや。
今月は25日に病院へ行くんやけど、その時提出する薬の経過報告とか希望なんかも書かなあかんし、ヘルパーさん関係をはじめとする色んなとこからの連絡がパソコンのメールなどへ入って来るようにしてあるんでのう。
まぁ幸い使えんのは一つのキーだけやさか、今までに打ち込んで保存しとる文書の中からコピーして急場をしのいどる。
コピーしたかな文字を入れると漢字変換ができんのじゃが、そこはミッチー、悪知恵働かして、別の読みを入力する方法を見出したようや。
これにはわしも脱帽やで。
ほんまにしぶといミッチーに使われるパソコンも可哀想やのう。


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