1月5日
  皆々様方、遅ればせながら、2008年、あけましてあめっとうさんでごじゃります。
相変わらずぐずなミッチーとつき合わんといかんので、今年もまばらな更新になると思いまするが、何とぞよろしゅうおたの申します。
 年末から家族間のゴタゴタで、母上様の気分が不安定なもんで、ミッチーも最近はそんなことに振り回され気味じゃ。
みんな良い人ばかりじゃと思われるのに、なんでこんなにゴタゴタするんじゃろのぅ。
人間社会っちゅうもんはまったくもってわしらには理解できん。
ミッチーの泣きごと聞くのももううんざりや。
後はパンダはんにでも聞いてもらうこっちゃな。
もうわしゃあカラオケにでも行って来るわ!!

     1月20日
  今夜はこの辺でも雪が降るということや。
明日の朝は外はうっすら雪化粧しとるかも知れんのう。
ミッチーも雪の写真を撮りたい言うて、デジカメのバッテリー充電したりして、準備しとるけど、ミッチーが起きあがる頃まで待っとってくれるかどうか…。

     1月22日
 「明日は昼まで寝るからね」とミッチー。
「なんでや? 調子でも悪いんか?」
「いいえ、そんなことないけどね」
「ほんならなんでや?」
「近くの電柱工事やってるみたいで、明日は午前中3時間ほど停電になるみたいなのよ。だからね、暖房効かなくなるから、寒いし、布団の中にいようと思って…」
「まったく幸せな奴だな、ミッチーは」
「幸せついでに素敵な夢でもたったぷりみさせてもらうんだから、邪魔しないでよ」
「ちぇっ、どんな夢でもみたらええわさ」
「この前はせっかくおいしいおでん食べに行った夢みたのに、相棒が私の好きなはんべん取ってくれようとしたところで、りきまるさんの咳払いで目がさめちゃって、食べられなかったんだからね」
「そりゃあ悪かったな」
…あれぇ、待てよ、なんでわしがここであやまらんならんのや(?)
そんなもん知るかいな!!

     1月27日
寒い日が続いて、ミッチーの父上など家の中にいる時でも首巻き巻いて、背広の上に丹前羽織って、すごい格好でストーブの前に座りこんどるが、今日の昼間は歌や踊りの発表会に母上と一緒に出かけとった。
夕方一度帰って、ミッチーにご飯食べさせてから、今度は伊勢音頭同好会の新年会に叉お揃いで出かけて行った。
普段なんのかんの言い合っとっても、こうして一緒に行動できるっちゅうことは、結局仲がええっちゅうことなんじゃろのう。
いつまでも達者で仲のええお二人さんでいてほしいもんじゃ。

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     2月3日
 ミッチーの周りに今かなり落ちこんどるモンがおる。
何とか立ち直ってもらいたいと思うものの、何をしてやったらいいのか分からず、おろおろするばっかのようや。
三日前にもミッチールームへ胸の内を打ち明けに来たその人と、手取り足取りしながら、一緒にわぁーわぁー泣いとった。
「ミッチーまで泣いてどうするんや!」
「どうにもならないことは分かってるけど、私には一緒に泣いてやることしかできないんだから、情けないわ」
「そうかそうか、ミッチーは自分にできることをしてやったんやな。何にもならんでも、きっとその思いだけは通じとるやろ。よしよし、それでええ、それでええ」 

     2月5日
  今年はネズミ年っちゅうことじゃが、確かに医学の実験に貢献しとるのもおるし、マンガやキャラクターで人気を集めとるのもおるが、一般社会では全然歓迎されん動物のようじゃ。
そのネズミどもが昨年からミッチー家に住みついてしもうて、このままやとネズミどもに家をのっとられそうになったもんで、年明けからネズミ退治作戦を展開。
昔からある金網のネズミ取り器や、ゴキブリホイホイ式の、そこへ踏み込んだら最後、べったりくっいて逃げられん粘着テープのネズミ取りをあちこちに仕掛けとる。
もう5匹程お陀仏になっとるが、昨日はその粘着テープのネズミ取りに思いがけない大ものが掛かってもうた。
遊びに来とった甥っ子がそれを踏んづけてしもうて、大想像しとるんや!
まったく泣いたり笑うたりに忙しいミッチー家でござる。

       2月21日
  この冬の寒さも峠を越えたんか、陽射しがぬくとく感じれるようになった。
ミッチーも久し振りにデジカメ持って外へ出たんやが、カメラには何にもおさめんと帰って来た。
「田んぼにハトがたくさん群がっていて、時々一斉に飛び立ったりしているので、撮らせてほしいと思ったんだけど、ちょっと私の足撮りテクニックではそんな瞬間的なものは捕らえられないので、あきらめちゃった」
「田んぼん中歩いとるのでも面白かったか分からんぞ」
「そんなのハトだか石ころだか分からないじゃない」
「それもええやないか。見る人の想像力に任せるっちゅうのも、ミッチーカメラマンが提供できるサービスや」 
「りきまるさんって面白いこと言うわね。何だか分からない写真ならいつでも撮れるわ」
「ああ。撮っといで、撮っといで」      

      2月25日
先週めでたい誕生日を迎え。叉一つ素敵に若返ったっちゅうミッチー、友達や家族から祝いのプレゼントやメッセージをもろて喜んどったが、それでもまだ足らんのか、今日は自分へのプレゼントやちゅうて、久々にカラオケ喫茶で歌いまくって来たようや。
「他に客はおらんかったんか?」
「私が行った時は男女の老年のカップルが一組いて、コーヒー注文しただけで、まだおとなしく座ってただけみたいだったけど、私が歌ったら、自信がついたのか、気持ちがほぐれたのか、次々に上手な歌を聞かせてくれたわ。しばらくして、中年の女性連れが二人来たから、結構いい雰囲気になったよ」
「今日つき合うてくれたのは若いヘルパーさんやったさか、ミッチーの歌う懐メロソングなんどは聞いたこともないやろな」
「それがね、一曲だけ聴きおぼえがあるって喜んでくれたわ」
「母上様ら見習うて今時ソングも歌えるようになれよ」
「私の歌は味の出る懐メロでいいのよ」
「ふーん…、ところであのカラオケ喫茶は採点が出るんやろ?」
「それが変なの。1000点満点のマシーンなんだけど、所々声も出ないような私の歌でもみんな500点台なのよ。誕生日にちなんで222でも出たらなぁ…なんて思ってたんだけど、高得点過ぎて全然ダメだったわ」
「そりゃあきっと500点以下は出ないマシーンなんじゃろ。ミッチーみたいなお客を落胆させんように、そうなっとるんじゃよ」
「へぅー、なるほどね」
「ええ店やないか。これからも時々行きーや」

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      3月11日
 ミッチーが世話になっとるヘルパー派遣事業所では、最近辞める人が続出。ミッチーの水曜日の担当だった人が2月半ばで辞めたかと思うたら、ミッチーのことをよく理解してくれていた主任格の二人も今月いっぱいで辞めるそうなんや。ほんでちょっと不安に思とったとこへ、先日その主任格のお二人さんが、「ちょっと相談があって…」と、やって来た。
 おっしゃるには、腰を痛めているヘルパーさんが多いんで、ミッチーが現在、月・水・金の訪問時間にお願いしとる入浴介助と外出介助を、午前と午後、または月曜日が入浴やったら火曜日は外出というような案配に分けてもらえんかと言うて来た。そうすることで一人のヘルパーさんにかかる負担を軽くしたいっちゅうんや。
 ミッチーも自分の体の動きがにぶって、介助者の負担がおもなって来とるっちゅうことは分かっとるんで、楽な介助方法を考えんとあかんと思とったとこやし、いつまでも親をあてにできんことは分かっとるんで、トイレの為にも一回の長い訪問時間より、短時間でも回数を増やしてもらう方がええんで、この話はミッチー自身にもプラスになることなんじゃがのう。
 なんで気持ちよくこの話を承諾できんかっちゅうと、今一緒に住んどる両親が、そんなに頻繁に色んな人が家に出入りしたら、自分達は気が休まらんって言うんや。まぁ母上らも自分らが何もできんようになったら、そうしてもらうことの必要性が分かるんじゃろうが、今は何とかミッチーのトイレ介助もできるんで、そんな必要はないと思とるんやろ。両親がとりしきる家に住んで、毎日必要不可欠な介助を母上にゆだねとる以上、ミッチーも自分の都合ばっかり押し通す訳にもいかんのや。ほんでこの話は白紙に戻してくれるよう頼んだ訳なんじゃが、どうなるんじゃろかのう(?)

        3月21日
  ずっと高い所からの絶景を撮ってみたいと思い続けとったミッチー、電動でも登れそうな所はないか探しとったようじゃが、先日山の坂道を軽トラが走っとるのを見て、軽トラが走れるんやったら、電動でも登れるんやないか思て、今日思い切って登ってみたようや。
かなり急斜面やったようやが、電動パワーで登れたっちゅうことや。
ミッチー自身は電動パワーで息もあがらんと楽々ハイキングやったが、同行のヘルパーさんはそりゃあかなわんで。
まぁ今日は若手やったし、ミッチーの電動につかまってもろて登ったっちゅうことやが…。
肝腎な写真もかろうじて一枚だけミッチーも満足いくもんが撮れたみたいで、早速アップしとった。
急斜面の登り坂は、帰り道は当然下り坂や。
バック走行運転など自信のないミッチーは、前向きで山の坂道おりんならんさか、ジェットコースター並みの迫力。
逆にヘルパーさんは楽々下り坂の帰り道やったとさ。
何はともあれ、ハイキングの初体験ができてよかったなぁ、ミッチー。 


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       4月7日
 夜になって一段と雨と風が強なって来た。
これでもうこの辺の今年の桜はしまいじゃろう。
ミッチーも結構色んな形の花見を楽しんだようや。
土曜日には、ミッチーが冗談混じりに声かけた友達の一人が、本当にやって来てくれ、思いがけずお団子持ってちょっぴり遠くまでお花見ドライブすることになったり…。
 それに比べて何ともお気の毒やったんは父上。
伊勢音頭同好会の仲間らと神川の方の桜祭りに参加することになっとって、家まで迎えに来てくれるっちゅう連絡が入ったもんで、朝から身支度し、カメラも用意して、言われた時間の少し前から外に出て待っとったらしいが、仲々お迎えの車が来んときた。
時計とにらめっこし、遅い遅い思いながら、外で待つこと2時間近く…。
とうとうお迎えの車は現れず、置いてきぼりくったんだとさ。
夜リーダー格に電話して確かめてみたら、連絡ミスやったとか…。
今更怒っても無駄に過ごした時間は返って来やへんさか、せめておいしいもの腹一杯食ったろか…と言いたいところのようじゃが、食事制限されとる身やもんで、母上が許さず、はてさて、このもやもやを何で晴らすのであろうかのう?
 
      4月10日
 朝、母上とミッチーが並んで庭の花を眺めとった。
そこへ「こんにちわ」と入って来たおっさんがおる。
水道料金の集金人で、母上とは顔見知り。
そのおっさんが突然「姉ちゃん」とミッチーの方に声をかけて来おった。
ミッチーには見おほえのない顔なもんで、「えっ?」てな顔したら、そのおっさんはにこやかな有情で、
「Kや。KのTちゃん」と言う。
「あぁ、はいはい、まぁ…」と、すべて納得のミッチー
それはずっと以前ミッチーを担当してくれたヘルパーさんの旦那さんやったって訳や。
「彼女は旦那様のこと、『おっとっとー』と言って、私にはよく話してくれたわ」
「ほんじゃ家ではミッチーのこともよう話しとったんやろな」
「そうでしょうね」
「だから一目見ただけでミッチーに声かけてくれたんじゃよ」
「私もおっとっとー様のことはよく聞かされていたんだけど、ちょっとイメージが違ってて変わらなかったわ」
「そりゃ何十年も経っとったら、紳士もおっさんになるわいな」
「そうね、でもおっとっとー様が私に懐かしそうに声かけてくれたということは、私は変わってないのかなぁ?」
「んな訳なかろう。相手の想像力が豊かなだけじゃよ!」

    4月24日
  朝から雨が勢いよう降っとって、今日はもう一日中降るんかいなぁ思とったら、昼からは明りなって来た。
 何やら賑やかなパソコンの画面見ながら、
「どれにしようかなぁ」と、お悩みの様子のミッチー。
「何しとるんや?」
「今日はマーチンの誕生日なんで、携帯へバースディーカード送ろうと思うんだけどね。りきまるさん、どれがいいと思う?」
「さぁね、マーチンの好みなんど、わしゃ知らんさかなぁ。けど、そのパンダのうととるのはええやないか」
「そうね、じゃあこれにするわ」
「来年の誕生日頃にはええこともあるように…って書いときな」
「了解!」

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         5月10日
 今年の桜前線は今北海道で最後の花を咲かせとるらしいが、昨日はその満開の桜に雪の積もった映像がテレビに映っとった。
今日はこっちも冷たい雨。
気温も3月下旬頃に逆戻りやとさ。
「こちらでももう一度桜が見られるんじゃないかなぁ」
「うんうん、そりゃぁ面白いのう」
「桜が二度咲きするなら、私ももう一度ぐらい咲いてみても許されるかな?」
「そりゃああかんわ! もう一ぺんもう一ぺんっていったい何べん咲いたら気が済むんや?}
「何べんって… 一、二、三…、そんなの一々数えてなんかいられないわよ」
「そうやろが。じゃからもうええ加減おとなしゅうしとりぃや}
「そんなあ〜〜っ}

       5月22日
 中国大地震の被害は、余震の続く中、今も広がっとるようや。
その様子をテレビで見せつけられて、いつも通りに生活できることのありがたさを痛感させられとる。
広い国土の国やさか、今年開催予定の北京オリンピックには差し支えないんか、そんな報道は伝わって来ん。
オリンピックへの出場権かけたバレーのアジア最終予選の試合を今テレビで放送しとって、バレーファンのミッチーは地震の被害に胸いためながらも、バレー観戦に熱をあげとる。
女子は4戦したとこやが、今のところ全焼やさか、今度こそオリンピックへの出場権ゲットしそうや。


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         6月6日
カラオケに熱をあげとるミッチーの母上、よく歌いに行く店の客仲間から、DVDを勧められたそうや。
これがあったら、家庭でもカラオケ喫茶同様、字幕や歌手の表情などを見ながら、歌の勉強ができると言うんじゃ。
ほんで先日近くの電気屋さんが安売りしとる時に、思い切ってDVDプレーヤーを買うたんや。
好きな歌の入ったDVDの盤も買うて来て、高校生の孫に操作の仕方を教えてもろたりしとった。
じゃが、TVとDVDプレーヤーの二つのリモコンつこて操作せなあかんので、一回や二回聞いただけでは、機械オンチな母上にはのみこめんみたいで、かける度にミッチーを呼びに来て出動しとる。「私もDVDなんてさわったことなかったんだけどね」などと頭ふっとるが、ミッチーが行くと不思議とかかっとる。
パソコンの画面見ながらの操作に慣れとるせいかいなぁ。
まぁしっかり母上のDVDの自立を応援したりーや。

       
  6月9日
今日ミッチーんとこへ来てくれとったヘルパーさんは、もちろんミッチーよりお若いんじゃが、ミッチーの知っとる歌をようご存知で、今日はしばしの時間二人で思いつく歌をこの部屋で歌いまくっとった。
わしにも聞き覚えのある歌ばっかり歌ってくれるもんで、ついついつられて歌ってしもうた。
「うーん、やっぱり昔の歌はええもんやのう、ミッチー」
「私が歌っても良く聞こえたかしら?}
「まぁ何とのうどんな歌かは見当ついたさかのう」
「私の知ってる歌ならりきまるさんも知ってる筈だからね」
「そりゃまぁそうじゃが…」
「ねぇねぇ、来年のふれあいフェスタで、このコンビで懐メロコンサートでもやろうかなぁ」
「おいおい、そこまでやんの?」
「ダメ?」
「うーん、コンサート会場はここだけにとどめておく方がいいかもよ」

       6月27日
  梅雨も後半で、さすがに雨は降らでもすっきり晴れた日はここしばらくのうなった。
雨が降ってないさか思て外へ出ても、途中で降られ、ヘルパーさん共々“水もしたたるいい女”になって帰って来ることがしばしばのミッチーや。
今日も降っとらんもんの今にも落ちて来そうな空で、どうしたもんか思案しとったけど、考えとっても予定は進まんので、カッパ持って、ヘルパーさんには傘を持たせて、出かけて行った。
そしたらめでたく降られずに済んだようじゃ。
「これからはお守り変わりにカッパと傘を持って行くことにするわ」
「そうやのう。ミッチーの場合、てるてる坊主よりカッパの方が効果的かも知れんのう」
「えへへ、どうやらそのようね。まぁこれ以上いい女になって世の男性方をまどわしてもいけないしね」
「うーん、そんな心配はない思うけど…」
「えっ?、何かおっしゃった?」
「いや、別に…。わしの独り言じゃ」

      6月30日
午後のミッチールームは一時間近くえろう賑おとった。
ギター持ったあんちゃんかおっさんかちょっと分からんようなお人がやって来て、歌うとて行ったんや。
後で聞いたら、その人は昔からの遊び仲間で細く長いお付き合いが続いとる人らしい。
最近その人と新聞配達のお兄さんとがコンビを組んで歌を作ったっちゅう話を聞いて、興味をもったミッチーが、その歌を聞かせに来てくれとおねだりしたそうや。
そのおねだり聞いてくれて、ミッチールームでのミニミニコンサートを開いてくれたっちゅうことや。
自作の二曲の歌の他にもミッチーの知っとる歌も何曲かギター弾きながら歌ってくれたもんで、ミッチーも調子にのってうととった。
昔ミッチーの詩にその人が曲つけてくれた歌もあるそうなんやけど、残念ながら忘れたとかで、うとてくれなんだ。
ミッチーがかなタイプライターでらくがきしとった頃の歌じゃと言うさか、今聞いてもあんまりピンと来んじゃろうが…。



                     
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      7月4日
 4才の姪っ子ちゃんが置いてったおもちゃの指輪がふと目についたミッチー、自分の小指にはめてみたらスーッと入ったんで、姪っ子ちゃんが見つけて何か言って来るまではめてることにするんだとか…。
さーて、いつ見つけてくれるかいのう。
なんにも言わんとミッチーの指にはまった指輪を見とるか、それとも
「あーっ、これ私の!」と、もぎ取ってくか、はたまた
「みっちゃんにやるわ」って、あっさりくれてくか、その反応がわしもちょっと楽しみや。




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          8月4日     
 先月の後半、暑さボケしたミッチー自身のちょっとしたミスタッチでパソコンがネットにつながらんっちゅう事態を招いてしもうて、10日間程メールも掲示板の書き込みもできんかった。
その間普段めったにやらん部屋の中の雑誌の整理などに汗流しとった。
そんな自分へのごほうびっちゅうんで、ヘルパーさん来てくれた時にかき氷など買うて来てもろて食べとった。
 今日も暑い一日。
「少し涼しい仕事をやりましょう」って、ヘルパーさん喜ばせたんは冷蔵庫の霜取りや。
取った霜をさわらせてもろて、きゃーきゃー喜んどるミッチー。
どう見ても50過ぎのおばはんには見えんわ!


      
8月11日
 北京オリンピックが始まって、テレビから離れられんミッチー。
お目当てはもちろんバレーボールなんじゃが、なんせ男女ともオリンピックの出場権も一ヶ月前位にやっとこさゲットしたくらいやさか、このオリンピックでのメダルの獲得などさっぱり期待できん。
案の定予選トーナメントの初戦から負けてもうた。
衛星生放送されたそれらの試合を、VTRで何度か再放送しとるが、負けた試合は当然のことながら何度見ても勝ち試合はならんので、溜息ばっかついとる。
そんな試合は一回見たら十分やろに…。
ミッチーがいくら見て研究したって勝たしてやれんわい!

     8月14日
赤ちゃん時代からミッチーとよう遊んでくれとった姪っ子のAちゃんが、今年の春高校を卒業して、名古屋の芸術専門学校へ進学。
親元を離れ、アルバイトしながら学生生活をエンジョイしとるようや。
そのAちゃんも今は夏休みで帰って来とる。
何ヶ月振りかでミッチーの前にも現れたAちゃんはすっかり都会の若者の顔になっとって、ちょっとびっくり、。
それはマスカラやアイシャドウなどのアイメイクのせいなんやが、Aちゃんのお父さんなとも、Aちゃんがパンダになってもうた…などと言うて、大笑いや!
ばぁちゃん達は「整形したんかと思た」などと言うとるが、いくら芸術関係の学校や言うたって、そこまではしやへんで。
まぁ色々試せるのも若いうちだけやさか、気の済むまでパンダになっとったらええわ。
それに飽きたら、今度は上がり目のキツネにでもなるやろ。

      8月25日
今にも降り出しそうな空やのに、
「ちょっと出かけて来る」っちゅうと出て行ったミッチー。
さすがにいつもより早めのご帰宅やったんで、叉“水もしたた.いい女”になったんかいなぁと思たんやけど、全然濡れてもおらん。
「雨降って来んかったか?」って聞いたら、
「帰り道でポツリと来たけど、私が歌唄ったらやんじゃったわ」だとさ。
雨雲も恐れ入るミッチーの歌ってことかいなぁ。
ふんふん、納得納得!

 

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       9月9日
  初めて聞いた話やが、ミッチーの母上様は以前従業員を何十人もかかえる縫製工場を営んどったそうや。
一時期は住み込みの若い女性達もいて、ミッチー達とも食事をともにしたり、活気に満ちた賑やかな日々やったとか。
彼女達と歳も近いミッチーは、一緒にテレビ見たり、音楽聞いたり、お夜食のお裾分けにあずかったり、青春時代をともに過ごした部分も多かったっちゅうことや。
その中の一人とは今も時々顔合わせたり、メールのやりとりをしとるそうやが、その他の人とはその後会う機会もないまま、30年あまりの月日が流れたことになる訳や。 
ミッチーはご覧の通りすっかりズッコケおばさんになっとるさか、彼女達も初老の日々を迎え、孫を抱いとる者もおるじゃろう。
 先日その中の一人が娘さんを連れてひょっこり会いに来てくれ、母上やミッチーを感激させとった。
このMちゃんは家庭的に恵まれん人で、中学卒業後にここに来て、昼は工場で働き、夜は定時制高校へ通う毎日を4年間続け、見事卒業したっちゅう頑張り屋さん。
ここを離れてから大阪へ就職、結婚後は奈良で落ち着き、旦那さんや二人の子ども達と平穏な家庭を築いとるようや。
「顔見ても一瞬誰だか分からなかったけど、あの細い目は確かにMちゃんやわ」とミッチー。
一緒に来てくれた娘さんは10代にしか見えんかったが、実は23やというさか、もうすぐお嫁さんに行かなあかんなぁ。
Mちゃんが孫を抱く日もそう遠くはなかろう。
叉時々ミッチーのことも思い出したってーや。




                 
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       10月7日
 気持ちのええ秋風とキンモクセイの香りに誘われ、午後はミッチーもお散歩にお出かけや。
コンビニでワッフルと缶コーヒー買うて、公園でおやつタイムをして来たそうや。
今は外も一番過ごし易い季節やさか。まぁそれもええこっちゃ。公園で声かけてくれた老婦人がおって、その人と友達になったんや言うて、一緒に写真まで撮って来とる。
「仲々優しそうな人やないか」
「一人暮らしで寂しい人みたいで、今日は話が出来る人に出会えたと言って喜んでくれたわ」
「へぇー、話する人おらんのかいな」
「少し体もご不自由のようで、ヘルパーさんに来てもらっていると言っていたけどね」
「不自由なところがあるのに一人暮らしっちゅうのは心細いやろな」
「そうなんでしょうね、きっと…」
「ミッチーみたいな何が何だか分からん奴に話かけて来るんやさか、よっぽど話相手に飢えとる人か、そうやなかったら、何ぞ良からぬことをたくらんどる悪党やで」
「悪党だなんて疑わなければならない世の中は悲しいけど、まさに私もその悪党に引っかかった経験者だもんね」
「そやさか気ぃつけや」
「その人の姪御さんの一人が身障者のようなことを言ってたから、それで私に声かけてくれたのかもね」
「ふーん、その話も本当かどうかな」
「あーぁ、本当にイヤな世の中ね。いったい誰がこんなふうにしちゃったのよ、りきまるさん!」
「わしがしたんと違うわいな」

       
10月30日
ミッチーがデジカメからパソコンへ取り込んどる写真を見とったら、めずらしくくっきり画像のモノがあるんで、
「その写真きれいに撮れとるやないか」って言うたら、
「これはね、一昨日の料理教室へ参加した時作ったハンバーグ定食よ。ヘルパーさんが撮ってくれたから、きれいでしょ」ということや。
「そうやろなぁ。道理で…」と納得。
「料理教室って、昨年も呼んでもろたやつかいなぁ?」
「そうよ、毎年この時期にあるみたいね」
「しかし何でミッチーが料理教室なんぞへ呼ばれるんや」
「一応受講の対象者が身障連関連の人達なんで、こんなのがいてもいいんじゃないかってことなんじゃないのかしらね」
「ふーん。ほんでなんぞミッチーのすることあったんかいなぁ?」
「昨年と同じようなハンバーグダネのこねくりと、後は試食をばっちりして来たわよ」
「そりゃ食べることはいっちょまえにできるわなぁ」
「一人前以上にできる人もいたけどね」
「へぇー、だれや?」
「私の介助に当たってくれたへパーさん、間違えて私のハンバーグ取って行きそうになるし、芋ご飯のおかわりまでしてたわよ」
「そりゃあ頼もしいヘルパーさんやないか。ミッチーが食べれんと思て食べてくれたんやろ。それも介助やで。新方式介助や。あっはははは…」

       10月31日
 散歩から戻ったミッチーがおいしそうな柿を持って来たんで、
「どこで買うて来たんや?」って聞いたら、
「知らない人にいただいたのよ」と言う。
なんでも、堤防の上で海を眺めながら弁当食べとる男性がおって、その近くでしばらくヘルパーさんとしゃべっとって、別の場所へ行こうとした時、
「ちょっと待って」と呼び止められたから、待っていたら、止めてあった車の中から、その柿を出して来て、
「これ、おいしい柿なんで食べて下さい」って差し出されたっちゅうことらしい。
「物欲しそうな顔しとったんと違うか?」
「まさかねぇ」
「ほんでも喜んでもろて来たんやろ?」
「知らない人からいただく訳にはいきません…って、突き返すような雰囲気じゃなかったんだもの」
「なんや近頃そんなことが多いやないか」
「心配なら、りきまるさんお毒味してみてよ」
「え、遠慮しとくわ」
てなこと言い合っとったけど、夕食後のデザートに早速父上母上も一緒にその柿を食べとったがな。
三人ともご無事なようやさか、まぁええわ。



                  
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        11月13日
 
ミッチーは今、家族のみんなと心を合わせて、一つの命のともしびを静かに見守っとる。
今日は気持ちのええ天気や。





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        12月30日
今年も残すところ後一日となってしもうた。
大好きな父上を天国へ見送ることになったミッチー達のこの年も間もなくジ・エンドや。
眠りの浅いミッチーの夢に現れ、色々語りかけとるらしい父上は、やっぱりミッチーのことが気になっとるんやろな。
よう父上の夢をみるというミッチーに、
「なんであんたばっかみるんやろ。わしもみぃたいのに、みせてくれんわ」と母上はヤキモチ妬いとるが、ずっと病院で付き添っとったさか、その間に母上にはしっかり言いたいことを伝えとったんやろ。
そやさか母上にはもう何の心配もないんやと思うで。
老化現象で段々耳もとおなって、ミッチー語など通じんようになっとったさか、最近はあんまり話もせなんださかなぁ。
夢の中での語りかけをしっかり聞いて、段々と父上のいない生活に慣れて行くのを喜んでくれると思うさか、主張すべきことは主張して、引くべきところは引いて、母上守りながら、新しい年に向かって行きーや。


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2008年

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