1月2日
 わし、りきまるってもんや。
昨年暮れに長年ここにおったロンって奴が、自由の身になりたい言うて出て行ったもんで、わしが後を引き継いだんや。
わしはロンよりずっと年上やさか、あかんたれのミッチーをええ方向へ引っ張って行けると思もうんや。
みんなも引き続いて応援したってよ。

     1月7日
今朝はこの辺も今年初めての雪。
下の家の尾根にうっすら積もったさか、ミッチーにも見せてやろともたのに、起こしたって起きて来やへん。
しょうのないやっちゃのう。
  
     
 1月11日
ここから15分ぐらい裏道歩いてったとこに“産田(うぶた)神社”って言う、安産の神様がまつってあるとこがあって、毎年1月10日はそこの祭りで賑わいを見せる。
昨日はその祭りで、ミッチーも
「今年の遊び初めはお祭り見物よ」なんてこと言いながら繰り出した。
一応デジカメ持って行ったさか、人だかりしとる屋台でも撮って来るんかともたら、ほとんど人ら写っとらへん。
{餅播きらもあって賑わっとった言うのに、なんでそんなとこ撮って来なんだんや!?」
「そんなとこ行ったらカメラ壊されるわ」
「あぁ。つまらん、つまらん。なんぞ面白いことないんかよぉ?」

        
1月24日
ミッチールームに久々のオセロの挑戦者。
始める前に、
「負けたら相手に何かおごるっていうのはどう?」
なんていう提案をしたから、ミッチーの自信は大したもの。
ミッチー白の先攻で始まったゲームは、ミッチーお得意の斜め戦法の端っこ取りが成功し、最後まで行かないうちに相手の置く所がなくなって、ミッチーが勝ってしもうた。
「さーて、それじゃあ肉まんでもおごっていただこうかしら」と言うので、相手はしぶじぶ肉まん買いにコンビニへ…。
肉まんも久し振りとあって、感激しながらぱくついとった。
ほんまに今日はうまいことやりよったのう。

      1月28日
 パソコンいじりからつまみ食いまで、手の分の仕事も足にさせてるミッチーは、真冬でも部屋にいる時は靴下をはかんのや。
今までそれを母上にやかましく指摘されたんやけど、自分では全然苦にもせず、平気な顔しとった。
それが最近冷たい足が気になるようで、テレビを見とるだけの時なんかはよう靴下はいとる。
そんなミッチーがこの前ホームセンターで面白いもの見つけて来よった。
チューブ入りの透明ゼリー状になったものなんやけど、“カイロ”と書いてある。
「靴下はかないから、貼るカイロもダメだし、何かいいものないかなぁって思ってたんだけど、これなら足や手に直接ぬりこめばいいから、私にぴったりでしょ」
「そやけど、そんなもん本間に効くんか?}
「それが…即効性はないみたいだから、効果があるのかないのかよくわからないんだけどね」
「そうやろ。そんなもんでたらめ商品に決まっとるっちゅうのに」
「どちらにしても買っちゃったんだからつけなきゃもったいないもんね」
とか言うて、毎日こまめにぬりこんどるよ。
ま、来年は買わんやろけど…。




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         2月9日
ここ何日かやけにぬくとい。
ミッチーは身軽な春の服装をして、母上に怒られとった。
体のあちこちにガタが来て、動きのにぶったミッチーにとって、ぬくとい冬はありがたいものに違いない。
しかし今頃こないにぬくといっちゅうことは、夏の暑さはどんなんやろと思たら、一年中こんな格好でおらんならんわしは、いったいどないになるんやろと思う。
人事やと思てミッチーは
「なるようになるでしょ」てなこと言うて、ぬくとい冬をのん気に過ごしとる。

        2月16日
 色んな悪条件が重なり、バレンタインショッピングにも行きそびれてしもて、今年はお遊びチョコもお情けチョコも贈れなんだミッチーやが、何を言い出すかと思たら、「今日あたりジャスコの特設コーナーには値引きされたちょっとおしゃれなチョコが残ってるかも知れないから、のぞいて来るわ」とかって、午後出かけてった。
値引きチョコっちゅうのは気にくわんが、わしにも土産があるかとチト期待して待っとったら、
「残念ながらそこはもう雛祭りコーナーになっていたわ」やて…。
そんで叉何言うかと思たら。
「けどさ、3月3日の雛祭りの前に、私の誕生日があるんだから、今あそこは“ミッチーバースディーコーナー”にするべきよね」やとさ。
わしゃーもうあいた口がふさがらんわ!

        2月24日
 二日前に記念すべき五十才の誕生日を迎えたミッチー、気分新たに朝は少し早起きするようになり、父上達にも「おはよう」の挨拶ができるようになった。
と言うと今まで何の挨拶もせなんだんかと言うとそうやのうて、一応挨拶らしいことは言うとったんやが、「おそよう」や「こんにちわ」しか言えんような時間帯に起きとったっちゅう訳や。
堂々と「おはよう」の言えるのが思ったより気持ちいいらしい。
ミッチーのことやさか、いつまで続くか分からんがのぅ。



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          3月2日
ぽかぽか陽気に誘われ。いつもヘルパーさんに届けてもろとる、ヘルパー利用料金の支払いに社協まで出かけてったミッチー。
以前ミッチーのわがままにつきおうてくれとったヘルパーさんらも、今ケアマネやヘルパー総主任としてデスクで陣取っとるようや。
ミッチーが受け付けまで行くと、そんな顔見知りが仕事を中断して出て来てくれ、何人かと懐かしの対面をして来たそうや。
 それはええんやけど、可愛い犬のスリッパなんぞ持ち帰って来たもんで、
「それどしたんや?」って聞いたら、
「私が“チューリップ”って言うニックネームをつけた人が、こんなのをはいてたから、ちょっとはかしてもらってたら、『もうそれやるわ』ってくれちゃったのよ」
「あきれたやっちゃのう」
「別にくれって言ったおぼえないのよ。ちょっとはき心地を確かめてただけで…」
「そんなもんええ気になっていつまでもはいとったら、『やるわ』ってでも言いとうなるわさ」
「そうかなぁ」
「そういうものなんやて。ただより高いもんはないって言うさか、しっかり覚悟しといた方がええで」
「そんなこと知らないわよ。後はりきまるさんにお任せするからよろしくね」
「なんでそうなるんや、ほんまにもう…」

      3月14日
 早い朝に目覚めたミッチー、
「あーぁ、変な夢みた」とボソリ。
「どんな夢?」って聞いたら、
「お猿さんの夢なんだけどね」と、今みたばかりの夢の話をするミッチー。
「お隣にお猿さんがたくさんいて、いつも窓越しにそれを眺めてんだけど、父上達がどこかへ出かけちゃって、私一人の時に、閉めてある窓を開けて、お猿さんがいっぱい入って来るの」
「それでミッチーと遊んでくれたんや?」
「じゃなくって、私は戸惑って見てるんだけど、私のことなど無視して、やりたい放題…。そこらじゅう引っかき回して、冷蔵庫の中のもの引っ張り出し、喰い荒らしているの」
「ミッチー一人になるのを待ってどしこんで来るっちゅうのは、完全になめられとるやないか」
「そうなのよね。くやしいったらありゃしない」
「よし。今度そんな夢みたら、わしを呼んだらええ。猿の20匹や30匹叩き出したるわ」
「うふふ、私一人だと思って入って来たら、ど迫力のおっさんがいて、猿もキモをつぶすでしょうね」

         3月24日
 個人の庭なんやけど、“アリスの庭”っていう名前がついたメルヘンティックな庭が、ミッチーのマイカー(電動車椅子)で40分位走った所にある。
昨日はそこへデジカメ持って行って来たようや。
帰ってから撮って来た写真パソコンへ取り込んで見たら、どれもこれも的はずれな写真ばっかりでがっかりしとった。
「おまけに私もお花の中に入って写してもらおうと思ったら、『メモリーカードの残量がありません』なんていうエラーメッセージが出て、撮影不能になるしさ」というんで、いささかご機嫌ななめ。
だもんで、
「あははは…、そりゃそうじゃろぅ、ミッチーを花ん中などへ入れたら、花が引き立たんようになるさか、この場合は入れん方がええとカメラも考えた訳じゃ」
「まぁ、よくそんな心にもないこと…。きれいなお花の中にばばっちいのが入るなんてとんでもないという拒否反応だと思ってるくせに…」
ミッチーも自分のことはよく分かっていらっしゃるようじゃ。 



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       4月1日
桜満開便りがあちこちから届いとるが、ミッチーの父上も伊勢音頭同好会のお仲間らと神川の桜祭りへ繰り出したようじゃ。
そういう人らと行くということは、やっぱり“花より団子”になるるので、食事制限しなきゃならない父上がつい食べ過ぎてしまいそうだという心配から、母上がにらみ役でついて行く筈じゃったが、風邪が仲々良くならんで、行けんかった。
ほんで結局父上だけの単独参加となったようじゃ。
「まぁ、たまにはうるさい人から解放されて、のびのびするのもいいでしょう」
「ミッチーは父上の体が心配じゃないんか?」
「父上だって自分のことはよく分かってるだろうから、どちらを選ぶかその権利も与えてあげないとね」
「やりたいことや好きなものを我慢して長生きするか、短くても精神的に輝いて生きるかっていう選択権があるっちゅうことか」
「そりゃあ私達のためには長生きしてほしいけど、いつまでも私達に縛られるのも可哀想になって来てね」
「そうか、ミッチーは本当に父上が好きなんやね」

        4月5日
 一月二月はポカポカ陽気の日が多かったっちゅうのに、桜が咲いた後のこの真冬並みの寒さはいったい何しゃろう。
昨日はミッチーを妹夫婦がお花見へ連れ出してくれたんじゃが、目的地へ着いて満開の桜をながめながらお散歩を始めた時、冷たいみぞれのような雨が落ちて来て、あわてて車の中へ引き返したそうや。
それからあちこちドライブしながら帰って来たらしいんじゃが、雨はやんでも風がつめたくて、車からおりる気にもなれず、持ってったサンドイッチやおにぎりは家の庭で、母上が咲かせた花をながめながら食べとった。
「ミッチーは雨女ならぬ雪女やったんや」
「いつも一緒に行く父上母上が今度は行かなかったからこうなったのかもね。今度からはてるてる坊主代わりにあの二人を乗せてかないと…」

       4月13日
 昨夜はミッチー妙に気が高ぶっとって、仲々寝つけなんだようや。とろとろしかけても夢でもみるのか、うなされたり、何度も目がさめて頭ふっとった。
朝になってから聞いたら、
「悪魔にだまされた時の夢をみたのよ。もう昨夜はその夢ばかりみて、うんざりだわ」
「その夢には彼も出て来たんか?」
「それが全然…。夢の中でもちょっと元気な顔見せてくれればいいのにね」
「元気やないんかいなぁ?」
「そんなこと知るすべもないけど…」
 昨日は母上達に苛立っとったんでのぅ。
ああいう人やっちゅうことはミッチーも分かっとる筈なんじゃが、時折苛立ってしまうのは、甘えなんじゃろか?

     4月22日
いゃー、今日のミッチールームには、ネットでいつも話している三人の男達がやって来て上を下への大騒ぎ。
いつもこの部屋からはミッチーの鼻歌やテレビの音声しか聞こえて来やへんので、今日のこの騒ぎには父上母上も圧倒されとった。
ミッチーのカラオケなんかには慣れとるわしも、さすがに脳天に来そうになったが、一人の男がわしにカメラを向けたもんで、何や知らんけど、ええ気分になってしもた。これはいったい何なんやろ?




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     5月4日
  一般社会のゴールデンウイークとやらも後二日を残すだけとなった。
行楽や家族サービスなどにみんなが張り切るこの時期、ミッチー担当のヘルパーさんの一人も家族とともにディズニーランドへ遊びに行っとるそうや。
そやさか、訪問の穴あけられたり、何らかのしわ寄せが来ることも覚悟しとったようじゃが、彼女らが休んだ時に入ってくれるピンチヒッターの人が頑張ってくれたもんで、ちゃんと来てもらえて、感謝やって言うとる。
 今日はお風呂の後、外へ出て行ったさか、どこ行ったんやろと思たら、ケーキ食べに行っとったんやて。
ケーキでささやかなゴールデンタイムを作ったっちゅうことや。
もちろんわしにはみやげもあらへんけど、体の痛みでしかめっっらのミッチー見ることが多なったさか、ひと時でもそんなものが忘れられたら結構なことや。 

          5月22日
 最近ミッチーの周りでは良からぬことばかり起こって、母上なども涙を流すことが多い、
ミッチーも一つ々々のことの成り行きに、これからどうなってしまうんだろうと思うと、気持ちが沈んでどうすることもできんようじゃ。
 そんなところへ今日は叉、父上の可愛がっていた犬のチャコが突然天国へ旅立ってしもうた。
もうかなりの歳じゃったから、天寿を全うした感じで、ミッチーは「ご苦労様」という言葉で見送った。
 この後やっぱり気になるのは、散歩の相棒亡くした父上のこと…。

        5月29日
身近な人間関係のいざこざで、最近ミッチーの母上は少々神経が参っているように見え、ミッチーらもちょっと心配していたようなんじゃが、今日はカラオケ仲間が誘いに来てくれとった。
その人はミッチーのこともよく気にかけてくれて、どこへでも一緒に行こうと言ってくれるんじゃが、自分なんかがくっついて行ったら、母上も思うように楽しめないだろうからというので、いつも遠慮しているようじゃ。
でも今日はなぜか母上もその気になり、ミッチーにも一緒に行こうと誘ってくれたので、突然母上達とカラオケ喫茶へ行くことになってドタバタムード。。
「まぁ母上と一緒に行っても、私はおとなしく座っているだけなんだけどね」と言って、出て行ったんじゃが、帰ってから聞いてみると満更そうでもない成り行きになったようや。
行った所が、たまにミッチーがヘルパーさんにお付き合い願って入る店やったもんで、そこのママさんがミッチーの十八番をおぼえてくれとって、入ってしばらくすると何も言わなくてもその曲をかけてくれたさか、歌う羽目になったんやて。
母上のいる所で歌ったことなかったさか、ちょっと母上の方がびくびくしとったらしいが、そのミッチーの歌でお店の雰囲気もなごみ、緊張気味だった母上の気持ちもほぐれたそうや。
お誘いに来てくれたお仲間のお耳も汚してしもうた訳じゃが、その人も喜んでくれたと言うさか、まぁええじゃろう。
人の歌に合わせて踊ってくれる愉快なおばさんもいて、母上も
「あんなにならなあかんね」と、ボソリともらしとったそうな。
そうそう、歌は楽しく唄うべし、じゃよな、ミッチー!
 

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     6月10日
  昨日はミッチー、ー日パソコンとにらめっこしとった。
キーボードもそんなに叩かず、ただパソコンの前で溜息ついたり、首かしけてばかりなもんで、
「どうかしたんか?」って声かけたら。
「うーん、今日はどうもご機嫌ななめで、ネットにつながらなかったり、つながったと思って書き込みなどして投稿しようと思うとできなくて、接続状況確かめたら、いつの間にか切れていたりして、もぅ今日はさっぱり足あげ状態よ」
「どれかの線が抜けとるっちゅうこともないんか?」
「そう思ってさっきちょっと見てみたんだけど、抜けてる線も見当たらないし、時々はつながるんだしね。いったいどういうことよ?」
「って、わしに聞かれてもなぁ。待てよ、パソコンは雷に弱いっちゅうなぁ。この頃あちこちで雷雲が大暴れしとるらしいさか、そんな気象状況が悪影響及ぼしとるんかも知れんわ」
「うんうん、なるほど、きっとそれよ。さすがに歳のコウね」
「それを言うんなら、ミッチーもそれぐらいは考えられる歳じゃろが」
「ううん。私、頭の中だけは歳とらないのよ」
「自分で分かっとったら、もう何にも言うことないわ」

        6月11日
 「あぁ叉失敗しちゃった!」と、買い物から帰ったミッチーは落ち込み気味、
近くのホームセンターへ行く途中、こんなことがあったらしい。
交通量の多い道を横断するのに、その手前でしばらく待っとって、ヘルパーさんのGOの合図で急いで渡ろうとして、ちょうど真ん中まで進んだ時、左側から軽トラが近づいて来て、ミッチーも停車し軽トラの運ちゃんも止まってくれ、危機一髪免れたとか。
渡り終えてから当然軽トラの運ちゃんにどなりまくられてしもうたそうや。
「そりゃあ左右を確認せんと渡ろうとしたミッチーが悪いんやさか、どなられて当たり前や」
「そうね、いつもヘルパーさんの指示に従っているから、つい自分で確認せず渡ろうとしてしまって、大失敗しちゃったよ}
「軽トラの運ちゃんにどなられたお陰で大失敗に気づいてよかったやないか」
「そうね。これからは人に頼らず自分でしっかり確認しないとね」
結果的にはミッチーの自己反省を導き出した良い大失敗やったようや。
軽トラの運ちゃん、ごめんしたってや。

       6月13日
 今日はミッチー、ヘルパーさんにいつもより早く来てもらい、どこかへ出かけてしもた。
2時間ほどして帰ったから、
「どこへ行っとったんや?」って聞いたら、
「喫茶店でランチタイムして来ちゃった」と言う。
「何でまた…?}
「今日はちょっと特別な記念日だから、いつもと違う時間を過ごしたかったの」
「何の記念日や?」
「えへへ、ドレス記念日」
「何やそれ?」
「文字通り私がドレスを着た日よ」
「ドレスって、あの女性らしいおしとやかな人が着る衣装のことか?}
「うん、そう。そのドレスよ」
「そんなもんいつ着たんや?」
「ほんの2年前にね、ある人が着せてくれたの」
「ほほう、物好きな人もおるもんじゃのう。わしゃあミッチーのドレス姿なんど想像もつかんわ」
「だからその人も一度見てみたかったんじゃないの」
「わしも見てみたいわ」
「あれは一回しか着ないドレスなのよ。だからね記念日があるの」「何やよう分からんわ」
「りきまるさんは分からなくてもいいのよ」
「あぁさよか」

        6月30日
  まだ梅雨の最中の6月ちゅうのに、昨日も今日も30度を超える真夏日。
この暑いのに何でわしだけこんな冬のむさ苦しい格好をしとらんならんのやろ(?)
 ウインブルドンテニスとかが始まり、ミッチーは真夜中放送のそれを見るのに、昼夜逆転のような感じで、本間にええんかいなぁ。
昨夜も深夜の放送を見てから寝て、姫間はジュースばっかり飲んでゴロゴロ、とろとろしとった。
今夜は日本の杉山愛が登場するっていうさか、見やん訳ないわなぁ。
「りきまるさんは興味なければ寝てちょうだいよ」って言うんやけど、ミッチーの守り神的存在のわしとしては、先に高いびきかく訳にもいいかへんしのう。


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         7月19日
 細い道路を隔てた斜め向かいにいる3才の姪っ子ちゃんは、動きも気性も激しく、周りの大人達をアップアップさせとる。
 先日はミッチーに足蹴り10連発ほどやってくれちゃって、その反応を伺っているようやったから、ミッチーも1発お返ししてゆったら、びっくりしたようにおばあちゃんの所へ言いつけに行きよった。
けど、自分が蹴ったことは悪いことやと思てないようで、お母さん達にミッチー指さして
「蹴ったった」っちゅうて、ケロリとしとる。
 そうかと思たら昨日は朝早くから、ミッチーがまだ布団の上に転がっている時にやって来て、ミッチーの上にダイビングしよった。
おいおい、暑くなって来たんで、泳ぎとうなる気持ちも分かるけど、そこは海でもプールでもあらへんがな!

      7月25日
 先週ミッチー家にニューフェイスが仲間入りした。
愛犬のチャコが突然天国へいってしもうて、父上が寂しがっとったんで、ペットショップで新しい子犬を買って来たっちゅう訳や。
今度のは、鼻のつぶれたような感じの不細工な顔のパグ犬。
わざわさ高いお金出して求めるのに、なんてこんな不細工なのを…と、ミッチーは不満らしかったけど、お利口さんでおとなしい性格という評判にひかれたようや。
 ミッチーに名前をつけてやってくれって言われたんで、新しい名前を考えるのが面倒なミッチーは、ここの初代日記のヒーローの名前をいい加減に候補にあげたら、父上達もその名前が気に入ったみたいで、あっさりと“ロン”に決まってしもた。
「本当はこの犬の顔にはもったいないんだけとね」なんて言うとるが…。
 とにかく2代目ロンになってしもうたんで、早くもここの日記のコーナーの明け渡しを迫られるんやないかのう


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     8月20日
 メールができない年配の友達に毎月一回手紙を出しているらしいミッチー。
昨日はその手紙を書いている途中で、弟の奥さんがミッチーをさらいに来て、どこかへ連れてってしもうた。
ほんまに突然現れて、パソコンの電源切る暇もなく出てってしもうたんで、いったい何事が起こったんかと、一人気をもんだ二時間余り…。
帰って来たミッチーは
「あぁおいしかった」とご満悦。
弟の急な思いつきで、庭でバーベキューをするのに、こちらの家の両親やミッチーも呼んでくれたんやって。
仕事が昨日から4連休になったんで、昼間は家族で川へ泳ぎに行っとって、そこでバーベキューしとる家族連れを見かけ、自分達もしようと思いついたんやって。
両親やミッチーを川へ泳ぎに行こうとは誘えんけど、これやったら一緒に楽しめると考えてくれたんじゃろう。
先日の花火も母上の頑張りで実に行けたし、これでミッチーも暑い夏を乗り切れるってもんじゃ。

      8月23日
日照り続きの暑さで花も動物も人間も枯れ果てるんやないかと思うほどで、ひと雨ほしかったところじゃが、今日の午後はその待望の雨が降ってくれた。
「涼しなってよかったな、ミッチー」
「うふふ、まずは大成功だわ」
「大成功って、ミッチー雨乞いでもしとったんか?」
「えへへ、Yちゃんの旦那様の洗車のお陰よ、きっと…」
「それ、どういうことや?」
「友達のYちゃんの旦那様が車を洗うと、その翌日は決まって雨になるっていうから、もう暑くてたまんないから、旦那様に車洗ってくれって頼んでおいてよって、先日お願いしといたのよ」
「あははは、ミッチーの願い聞いて車洗ってくれたって訳か」
「多分そうよ」
「けど明日から叉暑なるらしいで」
「叉適当なところで車洗ってもらおう」
「あぁ、そうしてもらいまひょ」


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        9月11日
  昨日は愛知県の日本福祉大学の女子学生が、ミッチーの所に来てくれとるヘルパーさんに同行訪問という形で、現場実習に来とった。
社会福祉士を目指して学んどるというお嬢さんで、出身地が熊野のミッチーの弟の奥さんと同じ町というんで、地元での現場実習となったようや。
ヘルパーさんが何も言わんでも自分から手伝おうとしたり、仲々気のつく学生さんやなぁと思たら、高校時代からボランティアサークルで活動しとっったらしい。
それもミッチーと交流のある“白夜”っちゅうグループやと言うんで一気に距離が縮まり、あの人はどうだとか、この人はどうだとか、お互いの知り合いの近況を確かめ合うたりして、ヘルパーさんがきょとんとする中、最後は結構盛り上がっとった、
こんなふうに自分と関わりのある若い人達が福祉の現場で活躍しているのはミッチーにとって嬉しいことに違いない。
しょうもないミッチーおばはんやけど、皆さんこれからもよろしく頼んまっせ〜。

      9月18日
 担当のヘルパーさんが休んだ時らに最近よう顔を出してくれるようになった人がおる。
いつもご機嫌うるわしそうなしっかりした人なんじゃが、介助の動作のペースが速いもんで、そばで見とるとミッチーはいつもひきずられとる感じじゃ。
動きのペースが合わんと、お互いの体に余分な負担がかかって、二人とも疲れるだけやから、もう少しゆっくりしたペースで動かしてくれるように頼もうとしとるミッチーなんじゃが、なんせ相手がせっかちなもんで、ミッチーの言うことが分からんようになると、他のことに話をそらされてしまうんで、一向に進まん。
どうしたもんかと悩んどったさか、わしがちょいと助け船を出してやったがな。
「そんな相手には分かりやすい説明書きを書いて見せること」
ホンマこれにかぎるっちゅうもんじゃ。
今日早速その説明文書を作っとったさか、今度そのヘルパーさんが来てくれたら、二人でお勉強や。
まぁしっかりやりーや!

       9月21日
 デジカメ持って、「コスモスを探しに行って来るわ」と言い、出て行ったと思たら、何やらブツブツ言いながらすぐに部屋へ戻って来たさか、何ぞ忘れ物でもしたんかと思たら、愛車が動かんで、どこへも行けんと言うんや。
「なんで動かんのや?」
「電気のコードが所々ボロボロになってて、充電不能だし、操作レバーにも通じないみたいなの」
「なんでコードがボロボロになるんや?」
「それがねぇ、二代目ロン君をあのそばにつないでおいたらしくて、かんじゃったみたいなんだ」
「なんてこった」
すぐに市役所に相談の電話をしたら、車椅子の製造業者に連絡取ってくれて、来週見に来てくれるみたいや。
これから涼しくなるさか出易うなると喜んどったのになぁ。
まぁしゃあないさか、しばらく箱入りおばさんやっとれや。

       9月28日
「私いよいよダメみたい」
ミッチーの奴、今朝そんなことをつぶやいとった。
首や腰の痛みが強なって、夜も眠れんみたいや。
いや、それよりミッチーの心に影を落としとるのは、ミッチーの体の痛みで、立ち上がらせてもらったりする時の介助の負担が重うなって、母上の体にも悪影響を及ぼしているらしいことが分かったからのようや。
家でもベッドと車椅子の生活に切り換えたら、介助の負担は削減されるやろけど、そうするとミッチーが今自分でやれているいくつかのことをあきらめなあかんかも知れんし、部屋の改造も必要になるかも知れん。
けど、このままやったら母上も可哀想やさか、なんぞええ方法を考えなあかんと、ミッチー自身も思い悩んどる。
幸い最近社協内に身障者総合相談支援センター“あしすと”っちゅうのができて、そこの職員が時々巡回訪問してくれるようになったんで、いっぺん相談してみよやって言うとるんじゃが…。



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         10月18日
 親知らずの歯を抜いたっちゅう2例ほどの記事を読んどったミッチー、ネット感染したんか、先週末突然歯痛に襲われ、顔半分腫らしながら、2晩ほど眠れない夜を過ごし、もうダメとばかり歯医者さんに飛び込んで痛みを押さえてもろて来た。
ウミが出てすっかり顔の腫れもひき、食事もできるようになったんじゃが、悪い歯は抜いてしもた方がええ言われ、これからしばらく歯医者通いをせなあかんようになって、かなり気が重そうや。
まぁ明日はちょっと楽しい場所に出られそうなんで、イヤなこと忘れて、楽しんで来てもらいたいもんじゃ。

      10月19日
  実は今日はミッチー、料理教室なるものに誘われ、参加しとったんや。
食生活改善促進協議会っちゅうとこが、身障連関係の20名ほどを対象に昨年からひらいてくれとるものらしい。
身障連言うても、料理教室やさか、ある程度の料理できる軽度の人や家族、ボランティアと言った人達が参加しとって、ミッチーのように何もできん重度の者は、想像した通りミッチー一人だけやったとか。
「そんなとこへ何で誘われたんや?」
「そりゃあ料理で一番大事なのは食べることだから、喰いしん坊も一人ぐらいいなきゃあね」
「ほほう、そりゃそうや」
けど、撮ってもろて来た写真見たら、ミッチーもみんなと同じようにエプロンと三角巾しとる。
「ほんで何作ったんや?」
「カレースープとサラダとアップルパイ}
「するとメインはカレースープか?}
「そうね、スープと言っても肉団子入りだから、結構ボリュームあったわ。そうそう肉団子作る時、私の手もちょっと入れさせてもらってこねくったんだけど、グループの皆さんイヤがらずに食べてくれたわ」
「ミッチーは足入れたかったとこやろけどね」
「そうなのよ。もうむずむずしちゃった。小学校の頃のカブト事件思い出したりして…」
「ええ歳こいて、全然成長しとらんのう」」
「可愛いおばちゃんでしょ?」
「う…?」


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       11月3日
秋晴れになる確率が高いとされている“文化の日”。
朝からさわやかな晴天になって、父上達は畑の芋掘りをやっとったようや。
誰かに紫芋がおいしいと聞いて植えてみて、無事収穫できたようじゃが、あれはゆでてそのまま食べても甘みもとろく、噂に聞くほどうまいもんやなかったようで、ちょっとがっかりしとるみたいや。
そんな時ちょうどミッチーが、紫芋で作ったっちゅうモンブランケーキをテレビで見て、
「あれよ、あれ…」と、母上にも見てもろたんやけど、全然ピンと来んようやった。
「お菓子なんてホットケーキぐらいしか作ったことない人だからね。期待する方がおバカさんだったわ」

        11月13日
 母上様のお薦めで昨日インフルエンザの予防接種を受けた来たミッチー、その晩はやはりプチインフルエンザにかかったようで、少し吐き気に見舞われたようじゃが、今朝は朝食もちゃんと食べとったさか、大丈夫なんじゃろ。
マイカーで行ける一番近くの産婦人科医院でしてもろて来たんやけど、そこの医者はどうやら一癖ある人物らしい。
注射するのに腕まくりして差し出し、顔だけ横向いて、いざ覚悟と目をつむるミッチーに
「逃げんでええがね」なんて言い、
「逃げてなんかないよ」と、ミッチーに言う暇も与えず、
「痛くないようにしてあげるから…」と言いながら
「時間かかるよ」と脅かし、
「痛いやろ。ほんまは痛いんやこれ」などと、いったいこの人自分で何言うとるんか分かっとるんやろかと疑いたくなるほどやったそうや。
産婦人科の医者か少なくなっている今、この医者も貴重な存在に違いないんじゃが、医者っちゅうもんも知識や技術だけで資格を与えてええもんやろかのう?

          11月22日
  毎年この時期にパソコンのウイルス対策ソフトの契約更新をせなあかんのやけど、契約料金を早々コンビニから送金したものの、パソコンの方の更新やインストール作業が思いの他時間がかかり、
「おかしいなぁ」
「なんでや?」
「もうイヤー!」
などと悲鳴あげながらやっとったけど、今朝ようやく新しいバージョンのが使える状態になって、わしもやれやれや。
「毎年することやさか、ええ加減おぼえとけや」
「それがさぁ、毎年微妙に違うんやよね」
「ウイルスもどんどん新しいのが作られとるさか、ワクチンも負けんと新しい強力なのが必要になるさか、複雑になるのも仕方ないやろ」
「こっちの頭は衰える一方やのに、もうかなわんわ」







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       12月14日
 先月の末に志摩のスペイン村っちゅうとこへ遊びに行ってから、ずっとあわただしかったミッチーじゃが、障害者の日とやらにも社協で開催されたイベントへのお誘いにものっかって、遊びに行って来て、その後のもろもろの作業も一段落して、これからやっと年末の作業にかかろうというところ。
と言うても、一般の人達から見たら、それも遊び感覚の作業に違いないんじゃが…。





 









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